空鞘橋

空鞘橋：広島の街を見守る橋

広島県広島市の中央公園西側に位置する空鞘橋（そらざやばし）は、太田川（本川）に架かる道路橋です。広島の中心街と、国道183号（旧国道54号）方面を繋ぐ重要な役割を担い、多くの車が行き交います。東側には広島城や広島県庁舎などの主要施設、西側には中広大[[橋]]を経て広島高速4号線（西風新都線）の中広出入口へと続く、広島市の交通網におけるキーポイントとなっています。

橋の名前の由来は、右岸下流にある空鞘稲荷神社です。古くからこの神社の前には渡し場があり、対岸とを繋ぐ重要な役割を果たしていました。現在の橋は、1968年から始まった基町地区再開発事業の一環として、1970年7月に開通しました。この再開発事業により、広島の街並みは大きく変貌を遂げ、空鞘橋もその歴史的変遷を物語る存在となっています。

橋のすぐ上流には天満川が合流し、下流には広島電鉄本線が走る相生橋が架かっています。これらの橋梁と合わせて、太田川の交通の流れを支えています。また、地元住民にとっては、上流の中州にある異なる宗派のお寺への参拝路の目印として、親しまれているようです。

空鞘橋は、単なる交通手段以上の存在です。かつては、左岸側の護岸に大きく育ったポプラの木がシンボルとして親しまれ、川の街・広島を代表する景観を形成していました。しかし、2008年には枯死のため伐採されました。そのポプラの樹は、多くの広島市民にとって、忘れがたい思い出として記憶に刻まれていることでしょう。

空鞘橋の諸元は以下の通りです。

路線名: 広島市道中広宇品線（城南通り）
橋長: 125m
幅員: 18m
上部工: 3径間連続鈑桁橋
下部工: RC逆T式橋台2基、RCラーメン橋脚2基
基礎工: 杭基礎

これらの数値からも、空鞘橋が現代の技術によって建設された堅牢な構造物であることが分かります。

空鞘橋は、単なる橋梁としてだけでなく、広島の歴史、文化、そして人々の生活を繋ぐ重要な役割を担っています。これからも、広島の街を見守り続ける存在として、その役割を果たし続けるでしょう。周辺の景観と調和し、人々の生活に寄り添い、歴史を紡いでいく、そんな空鞘橋の未来に期待したいものです。

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