広島電鉄本線

広島電鉄本線：広島の街を東西に繋ぐ路面電車

広島電鉄本線の路線は、広島県広島市南区の広島駅停留場から西区の広電西広島駅までを結ぶ、同社の主要路線です。広島市の中心部を東西に貫き、紙屋町や八丁堀といった繁華街、そして広島駅と広電西広島駅という主要な鉄道駅を結ぶ役割を担っています。世界遺産である原爆ドームも路線上に位置し、広島の歴史と現代が交差する場所でもあります。

路線概要

本線は全長5.4km、19の停留場（起終点含む）から構成され、全線複線電化（直流600V）です。軌間は1435mmを採用しています。猿猴川、京橋川、旧太田川、天満川、太田川放水路の5つの河川に架かる橋梁を渡り、そのうち広電天満橋は軌道専用の橋で、本線唯一の専用軌道区間となっています。

多くの区間は、相生通り、寺町通り、平和大通りといった幅員の広い幹線道路と併用軌道として敷設されています。しかし、土橋町交差点から天満町交差点間の区間は、幅員が約15mと狭いため、小網町、天満町、観音町の各停留場は、ホームが狭く安全地帯がない構造となっています。そのため、電車が停車する際には車内放送で乗客への注意喚起が行われています。猿猴橋町停留場も同様にホームが狭くなっています。

路線記号はMで、宮島線と直通運転しているため、番号は宮島線と一体で振られています。ラインカラーは緑色です。

運行形態

広島電鉄市内線の全系統が本線を経由し、多くの系統が運行されています。そのため、大半の停留場には行き先を表示する接近表示装置が設置されています。本線の全区間を運行するのは2号線（広島駅 - 八丁堀 - 広電西広島 - 広電宮島口）のみです。しかし、全ての系統が他の路線に乗り入れているため、本線だけで完結する系統はありません。これは2001年10月まで広島駅～八丁堀～己斐間のみを運行する系統を2号線として、宮島線直通便を「番号なし」としていたことと関連しています。2013年2月15日のダイヤ改正からは、9号線（白島 - 八丁堀）の一部電車が八丁堀から先、紙屋町、土橋を経由して江波まで直通運転を開始しました。

歴史

本線の歴史は1912年11月23日、広島駅前（現在の広島駅）から櫓下（後の相生橋、現在の原爆ドーム前）間の開業に始まります。同年12月8日には相生橋から己斐（現在の広電西広島）間が開業し、全通しました。その後、1945年の原爆投下により全線不通となりましたが、同年中に順次復旧し、12月には全線で複線運転が再開されました。戦後、宮島線との直通運転開始や路線変更、停留場の統合・分割などの変更を経て、現在の路線網が形成されています。近年では、広島駅周辺の再開発計画に伴い、広島駅 - 稲荷町間で駅前大橋経由へのルート変更が計画されています。

電停一覧

本線の電停は全て広島県広島市内にあります。乗換駅の指定電停は、的場町、八丁堀、紙屋町（紙屋町東・紙屋町西・本通）、十日市町、土橋、広電西広島です。

今後の予定

広島市は2014年に広島駅南口広場の再整備計画を発表し、本線は広島駅 - 稲荷町間で駅前大橋経由に変更される見込みです。広島駅 - 的場町間の現行ルートは廃止され、的場町 - 稲荷町間は皆実線と共に紙屋町・皆実町を結ぶ環状運転ルートとして活用される予定です。運行本数などの詳細は、広島市と広島電鉄との協議で決定される予定です。

本線の未来は、広島市の発展と密接に関連しており、今後の動向に注目が集まっています。

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