空飛ぶバイク

空飛ぶバイク（ホバーバイク）とは

空飛ぶバイク、またはホバーバイクとは、その名の通り、空中を浮遊して移動できるバイクのことです。SF作品に登場する未来の乗り物というイメージが強いですが、近年では現実世界での開発も活発に進められています。

開発史

空飛ぶバイクの開発は、2010年代から本格的に始まりました。初期の試みとしては、2014年にMalloy Aeronauticsがクアッドコプターのような飛行機構を持つ「Malloy Hoverbike」の開発を開始しました。その後、2015年にはパリ航空ショーで、アメリカ国防総省と共同で開発を進めていることを明らかにしました。

2016年4月には、イギリスの発明家コリン・ファーズが、2つのパラモーターを利用した空飛ぶバイクを製作し、大きな話題を呼びました。また、Aero-Xは2人乗りを想定した設計で、実用化に向けた動きが見られました。

2017年には、ロシアのスタートアップ企業Hoversurfが「Scorpion 3」という空飛ぶバイクを発売しました。この機体はドバイ警察に採用されたことでも有名です。

日本のスタートアップ企業A.L.I. Technologiesも空飛ぶバイクの開発に力を入れていました。同社は、プロペラで浮上し、カワサキ製のオートバイ用エンジンを動力とするハイブリッド機を開発しました。2022年3月29日には、北海道日本ハムファイターズの本拠地開幕戦で、特別仕様モデルの「XTURISMO」が披露され、新庄剛志監督が搭乗してグラウンド上空を飛行するパフォーマンスが大きな話題を呼びました。

A.L.I. Technologiesは、当初は高級機種を販売し、需要が高まれば量産機種を販売する計画でした。2021年10月26日には「XTURISMO」として市販を開始しましたが、量産型は公道での走行を目指す上で、風の影響を受けやすいなどの課題を解決できず、2024年に経営破綻しました。

運転資格

日本では、2021年現在、空飛ぶバイクは車両なのか航空機なのかが明確に定義されていません。A.L.I. Technologiesは、私有地であれば免許なしで運転できるとしています。しかし、公道での走行や航空機としての飛行には、それぞれ必要な資格が想定されます。

自動二輪車として扱われる場合は、自動二輪車免許が必要になるでしょう。航空機として扱われる場合は、自家用操縦士の資格が必要になります。さらに、航空機の場合は、管制塔との交信が必要となるため、航空特殊無線技士または航空無線通信士の資格も求められます。

用途

空飛ぶバイクは、従来のモビリティでは移動が困難な環境での活躍が期待されています。例えば、砂漠や湿地帯、地雷埋設地域などでの移動手段としての活用が考えられます。また、アトラクション、警察の白バイ、災害時の調査、家畜の追い込みなど、幅広い用途での応用が期待されています。

フィクションにおける空飛ぶバイク

空飛ぶバイクは、フィクション作品にも数多く登場します。

スター・ウォーズシリーズ: 反重力エンジンを使った「スピーダー・バイク」が登場します。
仮面ライダーリバイス: A.L.I. Technologiesの「XTURISMO」をベースとした機体が撮影に使用されました。
コール・オブ・デューティ アドバンスド・ウォーフェア: 2054年の乗り物として登場します。
CABAL ONLINE: 2006年のサービス開始から「アストラルバイク」という希少なアイテムとして実装されています。

まとめ

空飛ぶバイクは、SFの世界から現実世界へと歩みを進めています。開発には課題も多く残されていますが、人々の移動手段を大きく変える可能性を秘めています。今後の技術の発展と実用化に期待が高まります。

関連項目

空飛ぶクルマ

外部リンク

まるでスター・ウォーズ　ホバーバイク初披露（2022年9月16日） テレ東BIZ

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