突き倒し

突き倒し (つきたおし)

突き倒しは、相撲における決まり手の一つです。相手の体、特に胸や顔面を掌で力強く突っ張り、その反動を利用して相手を土俵上または土俵の外へと倒す技を指します。

概要

この技は、力士が立ち合いの際や、組もうとする相手に対して、間合いを保ちながら攻撃的に仕掛ける際によく見られます。突っ張りの連打で相手の体勢を崩し、最終的に突き倒すことで勝負を決めるのが典型的なパターンです。威力のある突きは、相手を一瞬で倒すほどの破壊力を持つこともあります。

英語では"Frontal thrust down"と表現されます。文字通り、正面から突いて倒すという意味合いが込められています。

技のポイント

突き倒しを成功させるためには、以下の点が重要となります。

突っ張りの威力: 相手を押し返すだけの十分な力が必要です。そのため、日々の稽古で突っ張りの力を鍛えることが不可欠です。
タイミング: 相手の体勢が崩れた瞬間や、動きが止まった瞬間に、的確に突くことが重要です。
体勢: 突っ張る際に、自分の体勢が崩れないように、しっかりと腰を据える必要があります。
間合い: 近すぎず、遠すぎず、相手に有効な突っ張りができる間合いを保つことが重要です。

過去の事例

1970年1月場所6日目には、全勝だった大関・北の富士を、前頭三枚目の福の花が突き倒しで破るという番狂わせがありました。この一番は、突き倒しの威力を改めて印象づけるものとなりました。

突き出し、突き落としとの違い

相撲の決まり手には、「突き出し」や「突き落とし」といった、突き倒しと類似した技があります。

突き出し: 相手を土俵の外に押し出す技。
突き落とし: 相手の体勢を崩し、自らは土俵に残り、相手を落ち倒す技。

これらの技も、突き倒しと同様に、突っ張りの技術が重要となります。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧

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