突っ張り

突っ張りとは

突っ張り（つっぱり）は、相撲において非常に重要な技術であり、相手に対して攻撃的にアプローチする方法の一つです。この技は、平手で相手を突くことから成り立っています。両手を使い、手の指を下に向けた形で、下からやや上向きに胸を突くように行います。

突っ張りの基本

突っ張りの基本動作は、両手を使って下から突くことです。この動作を通じて、相手の重心を高くし、攻めの態勢を整えます。さらに、差し手を払い除ける効果もあり、相手に与えるプレッシャーを高めることができます。上からの突っ張りはあまり効果的ではなく、「上突っ張り」として評価されることは少ないのです。この点が、突っ張りの技術の独特な特徴です。

また、平手で横に叩く技を張り手と呼び、突っ張りとは区別されています。突っ張りは繰り返して使用するものであり、相手を外に出せば「突き出し」、土俵内で倒せば「突き倒し」という決まり手となります。

力士のスタイルと歴史

突っ張りは、特に腕のリーチや押す力がある力士によって得意とされています。明治から大正時代にかけて名を馳せた横綱、太刀山峯右エ門の突っ張りは特に強力で、一発で相手を突き出す姿が知られています。その後も千代の山や曙など、長身の横綱たちがその強烈な突っ張りで名を馳せました。

一方、小柄な力士でも回転の速い突っ張りを使いこなす選手が多く見られます。富士櫻や麒麟児、寺尾らは、その技術で相手を圧倒することができる力士として知られています。

名勝負と技の変遷

1975年5月場所8日目、富士櫻と麒麟児との対戦は、突っ張りを駆使した名勝負として記録されています。攻撃的な力士たちは、通常、右手と右足、または左手と左足を同時に動かすもろ手突きを行います。これは威力が高い一方で、かわされると相手の逆襲を受けることがあるため、リスクも伴います。

加えて、突っ張りから叩き込みへと攻めを転じる技術も有効であり、舛田山や千代大海がこれを得意としています。相撲の技術は、力士同士の力量を試す場として、多くの技術が磨かれ続けてきました。

プロレスとの関連

興味深いことに、突っ張りはプロレスの技術の中でも使用されています。特に、大[[相撲]]出身のレスラーたちがこの技を活かしており、安田忠夫や力皇猛などがその代表的な使い手として知られています。彼らは、相撲から学んだ技術を駆使して、観客を魅了するパフォーマンスを展開しています。

鉄砲稽古

相撲の技術を磨くためには、「鉄砲」と呼ばれる稽古方法が重要です。鉄砲柱に対して、左右の突っ張りを繰り返すことで、攻撃動作の基本を身につけます。これは、足の動きと手の動きを同期させながら行われ、摺り足で進む一連の動作は、力士の基本的な運動能力を養います。

地方で行われる場所では、観客席に影響を及ぼすため、「テッポウ厳禁」といった掲示が見られるのも、相撲の伝統を守るための工夫の一つです。

突っ張り技術の深さや、力士たちの戦いのスタイルは、今後も進化を続け、相撲の魅力を高めていくことでしょう。

もう一度検索