突然段ボール

突然段ボール：日本のアンダーグラウンド・ミュージックシーンを彩るレジェンドバンド

1977年、蔦木栄一と俊二兄弟を中心に結成された日本のロックバンド、突然段ボール（略称：突段）。日本のアンダーグラウンド・ミュージックシーンにおいて、長年に渡り重要な役割を果たしてきたバンドとして知られています。

1980年、パス・レコードよりシングル『ホワイト・マン』でデビューを果たすと、独特の音楽性とライブパフォーマンスで高い評価を獲得。その後も精力的に活動を続け、数々のアルバムやシングルを発表してきました。

1989年には、TBSテレビの人気音楽番組『三宅裕司のいかすバンド天国』に出演。「凍結」という楽曲を演奏し、見事「完奏」を果たしてベストコンセプト賞を受賞。当時、メンバーはわずか2名だったにも関わらず、その圧倒的な存在感で審査員や視聴者を魅了しました。番組の記録によると、練習場所は近所の養鶏場の2階だったというエピソードも有名です。

2003年、ヴォーカル＆ドラムスを担当していた兄の蔦木栄一が肝硬変のため逝去。大きな悲しみの中、弟の俊二を中心にバンドは活動を継続することを決意。現在も精力的にライブ活動を行い、新しい楽曲を発表し続けています。

メンバー

現在のメンバーは、兄の逝去後もバンドの中核を担う蔦木俊二（ボーカル、ギター。ソロ活動では「五時夫」名義を使用）、ドラムスの新井宗彦、キーボードとコーラスを担当するユキユキロ、サイドギターとコーラスを担当するこのみぃるで構成されています。

過去には、ベースやドラムス、コーラスといった様々なパートで多くのミュージシャンが参加しており、その変遷もバンドの歴史の一部となっています。

作品

突然段ボールは、長年に渡り多様な作品を発表してきました。1980年代から現在まで、パス・レコード、FLOOR、WAX RECORDS、P-VINE RECORDSなど、様々なレーベルからアルバムやシングルがリリースされています。

その作品は、実験的な音楽性から、繊細で叙情的な楽曲まで、幅広く展開。初期の作品には、フレッド・フリスやロル・コックスヒルといった海外ミュージシャンとのコラボレーション作品も含まれています。また、石川浩司とのコラボレーション作品や、ボーカロイドをフィーチャーしたアルバム『突然段ボロイド』など、常に新しい試みにも挑戦し続けています。

影響とレガシー

突然段ボールは、日本のアンダーグラウンド・ミュージックシーンに大きな影響を与えてきました。その独特の音楽性とライブパフォーマンスは、多くのミュージシャンにインスピレーションを与え、後の音楽シーンの発展に貢献しています。

長きに渡り活動を続けるその姿勢、そして常に進化を続ける音楽性は、現代の音楽シーンにおいても高く評価されています。数多くの作品、そして多くの音楽ファンを魅了し続ける彼らの活動は、これからも日本の音楽史に刻まれていくでしょう。

参考文献・資料

・『蔦木語録』むかで屋（2020）
・ドキュメンタリー『回転禁止の青春シリーズ 天国注射の昼 ライブ・イン・日比谷野音 1983.8.21/9.17』東映ビデオ（1984）
・ドキュメンタリー『ロックに捧げた32年〜「突然段ボール」蔦木俊二』恩地紗代子（2010）

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