窪田弘

窪田弘について

窪田弘（くぼた ひろし）は、1931年7月4日に生まれ、2013年1月31日に逝去した、日本の大蔵官僚です。その生涯は、日本の経済・財政政策に深く関わり、多岐にわたる要職を歴任しました。

生い立ちと学歴

岡山県に生まれた窪田弘は、祖父に行政裁判所長官を務めた窪田静太郎を持つ家系に育ちました。埼玉県立浦和高等学校を経て、東京大学に進学。1953年10月には、東京大学法学部在学中に国家公務員試験（法律職）に合格し、翌年、同大学を卒業しました。

大蔵省でのキャリア

1954年、大蔵省に入省した窪田弘は、銀行局検査部審査課を皮切りに、そのキャリアをスタートさせます。初期には、銀行局や主計局を中心に勤務し、課長補佐時代には主計局総務課長補佐（歳入・企画）などを担当しました。

1974年12月には、内閣総理大臣秘書官（事務担当）に就任。その後、主計局主計官（厚生・労働担当）や主計局総務課長といった要職を歴任しました。1979年には東京税関長、1980年には銀行局検査部長に就任。1981年には主計局次長（次席）、1982年には同次長（筆頭）と、着実にキャリアアップを重ねました。

1983年には経済企画庁長官官房長、1985年には理財局長、そして1986年には国税庁長官に就任。同期入省者の中でもトップを走り、省内では主計局長、さらには事務次官の有力候補と目されていましたが、結果として国税庁長官の処遇となりました。

退官後の活動

1988年12月に大蔵省を退官した後、1989年には国民金融公庫副総裁に就任。1993年には日本債券信用銀行の顧問となり、同年6月には同行の頭取に就任しました。さらに1996年6月からは、同行の頭取兼会長として手腕を振るい、1997年8月までその任を務めました。

人物と晩年

窪田弘は、その卓越した能力と人柄で、多くの人々に信頼されました。2013年1月31日、都内の病院でその生涯を閉じ、墓所は多磨霊園にあります。

略歴

1954年4月：大蔵省入省（銀行局検査部審査課）
1954年7月：銀行局特殊金融課
1956年4月：銀行局金融制度調査官付
1957年5月：関東財務局理財部金融課
1957年7月：関東財務局理財部金融課金融検査官
1959年6月：大臣官房調査課地方経済調査係長
1961年8月：主計局補助金第三係長
1961年11月：主計局主計官補佐心得
1962年4月：主計局主計官補佐（補助金係）
1964年7月：主計局主計官補佐（公共事業係）
1966年8月：主計局調査課長補佐
1967年8月：主計局総務課長補佐（歳入・企画）
1970年7月：広島国税局直税部長
1972年7月：銀行局金融制度調査官
1974年7月：銀行局特別金融課長
1974年12月：内閣総理大臣秘書官（事務担当）
1976年12月：大臣官房付
1977年1月：主計局主計官（厚生・労働担当）
1978年6月：主計局総務課長
1979年7月10日：東京税関長
1980年6月：銀行局検査部長
1981年6月26日：主計局次長（次席）（地方財政、補助金、大蔵、通産、文部、科学技術、文化、財政計画、調査課、給与課担当）
1982年6月1日：主計局次長（筆頭）（防衛、外務、経済協力、通産、文部、科学技術、文化担当）
1983年6月7日：経済企画庁長官官房長
1985年6月25日：理財局長
1986年6月23日：国税庁長官
* 1988年12月27日：退官

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