竇誕

竇誕（とう たん、生没年不詳）は、中国の唐代に活躍した政治家です。本貫は扶風郡平陵県にありました。

生涯

竇誕は、竇抗の三男として生まれました。隋の仁寿年間には、朝請郎として官界に入りました。大業13年（617年）、丞相府祭酒に召され、その後、殿中監に転じ、安豊郡公に封ぜられました。この時、唐の高祖李淵の娘である襄陽公主を妻に迎え、李淵の一族と姻戚関係を結びました。

唐が建国されると、竇誕は李世民（後の太宗）に従って薛挙に対する征戦に参加し、元帥府司馬として軍事面でも貢献しました。その後、刑部尚書や太常卿といった要職を歴任し、李淵の幼い息子たちの家政を取り仕切るなど、李淵からの信任も厚かったことがうかがえます。また、梁州都督として地方にも赴任しました。

貞観元年（627年）には、右領軍大将軍に任ぜられ、その後、大理卿に転じ、莘国公に進封されました。太廟の修築事業に携わり、その功績により五百段の織物を授けられました。再び殿中監となりましたが、病気のため免職となり、宗正卿となりました。しかし、病のために受け答えが円滑にできなくなり、失態が続いたため、太宗（李世民）の命により光禄大夫として致仕し、邸に隠居することとなりました。まもなく世を去り、工部尚書・荊州刺史の位を追贈され、諡は安とされました。

竇誕は、隋から唐への移行期にかけて官吏として活動し、唐の建国と初期の国政に貢献しました。李淵の娘婿という立場もあり、重用された人物であったと言えるでしょう。

伝記資料

『旧唐書』巻六十一 列伝第十一「竇誕伝」
『新唐書』巻九十五 列伝第二十「竇誕伝」

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