立岩村

立岩村について

立岩村（たていわむら）は、かつて愛媛県の風早郡に位置していた村です。この村は1955年に、北条町や浅海村、粟井村、河野村の4村とともに合併し、北条町に編入されました。その結果、立岩村という自治体は消滅し、1958年に北条町が市制を施行して北条市となりました。さらに、平成の合併により北条市は松山市に統合され、現在に至っています。

地理

立岩村は、現在の松山市の最北端に位置しています。北と東の境界は、今治市（旧越智郡）に接しており、周囲には山々が広がっています。この村は立岩川の上中流域にあり、最も高いところでは高縄山にまで達している山間地域です。立岩川とその支流の小山田川などに沿って水田が形成され、農業が盛んな地域でした。近年では周辺の丘陵地帯にゴルフ場がいくつか建設されました。

この地域は温暖で乾燥した気候ですが、特に立岩村を含む高縄半島は地質が脆弱で、大雨が降ると立岩川が氾濫することが多く、その結果として堤防が破壊されたり、農地や住居が流失する被害が発生しています。そのため、洪水への対策工事が行われており、正岡地区との境界付近には立岩川洪水碑が建立されています。

村名の由来

立岩村の名前の由来については記録がなく、不詳となっています。

自然環境

立岩村には以下のような川と山があります：

• - 川: 立岩川、小山田川
• - 山: 長者森、岩が森、陣が森、北三方が森、高縄山

社会の構成

立岩村は合併前に12の小さな村から成り立っており、合併後もその名を引き継いでいました。具体的には、以下のような地区名がありました：

• - 才之原（さいのはら）
• - 瀧本（たきもと）
• - 猪木（いのき）
• - 猿川（さるかわ）
• - 中（なか）
• - 米之野（こめのの）
• - 庄布（しょうぶ）
• - 儀式（ぎしき）
• - 小山田（おやまだ）
• - 猿川原（さるかわら）
• - 尾儀原（おぎはら）
• - 萩原（はぎわら）

松山市への編入後、両方の村に同名または類似の町名があるため、地域名の表記を工夫し、米之野は「立岩米之野」、中は「立岩中村」としました。また、旧北条市内での小字は廃止されました。

行政

立岩村の役場は猿川に位置し、現在は松山市役所北条支所立岩出張所として運営されています。歴史的には、1904年には514戸、3046人の人口があり、1921年には479戸、2705人へと減少しました。2020年時点では314世帯、797人の住民がいました。

教育

立岩村には24年代には3つの尋常小学校が存在していましたが、1895年には立岩尋常小学校に統合されました。その後、北条市立を経て松山市立立岩小学校として現在も運営されています。

立岩中学校は、戦後の学制改革に伴って設立されました。しかし、北条市と合併後の1966年には北条市立北条北中学校に統合され、村内の中学校は存在しなくなりました。

村の歴史

立岩村は1889年に町村制が施行され、複数の村が合併し誕生しました。その後、1897年に温泉郡に編入され、1914年には一部地域が浅海村に編入されることになりました。1955年に新たに北条町と4村が合併し、立岩村としての自治体は消えていきました。現在は松山市としての活動が続いています。

産業

立岩村では、主に農業と林業が営まれていました。特に柑橘類の栽培は北条市に統合されてから軌道に乗るようになりました。

交通

立岩村には鉄道は通っていませんでしたが、近隣の親村には国鉄浅海駅がありました。陸路では正岡村への交通が整えられていたものの、他の町との行き来には不便がありました。しかし、その後道路が整備され、交通の利便性が向上しました。

ゆかりのある人物

立岩村には、堀本宜実氏という獣医師が村長を務めていた人がおり、彼が地域に貢献していました。

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