竪三ツ蔵町

竪三ツ蔵町について

竪三ツ蔵町（たてみつくらちょう）は、かつて愛知県名古屋市中区に存在した地名です。この地名は、尾張藩の重要な蔵屋敷であった「三ツ蔵」の東側に位置することに由来します。三ツ蔵は、もともと清須城下に福島正則が緊急時の米を保管するために建てた3つの蔵が始まりとされています。清洲越しによってその規模は数十棟に拡大しましたが、その後も「三ツ蔵」という名称で親しまれていました。

歴史

竪三ツ蔵町は、その成立から消滅まで、名古屋市の行政区の変化とともに、その所属を変えてきました。以下に、その歴史を詳しく見ていきましょう。

1871年（明治4年）：竪三ツ蔵町と三ツ蔵筋が新たに成立しました。この時、町名としての「竪三ツ蔵町」が初めて記録に登場します。

1878年（明治11年）12月28日：竪三ツ蔵町と三ツ蔵筋が統合され、名古屋区竪三ツ蔵町が誕生しました。これにより、地域としてのまとまりが強化されました。

1889年（明治22年）10月1日：名古屋市の成立に伴い、竪三ツ蔵町は名古屋市の一部となり、同市竪三ツ蔵町として再編されました。この時、行政区としての所属が明確になりました。

1908年（明治41年）4月1日：名古屋市の区制施行により、竪三ツ蔵町は中区と西区に分割編入され、それぞれ中区竪三ツ蔵町と西区竪三ツ蔵町となりました。この分割により、町は二つの行政区に分かれることになりました。

1944年（昭和19年）2月11日：栄区の新設に伴い、中区と西区に分かれていた竪三ツ蔵町は、栄区竪三ツ蔵町として統合されました。この統合により、町は再び一つの行政区に属することになりました。

1945年（昭和20年）11月3日：栄区の廃止に伴い、竪三ツ蔵町は再び中区に編入され、中区竪三ツ蔵町となりました。この時、町の所属は再び中区に戻りました。

1966年（昭和41年）3月30日：竪三ツ蔵町は中区栄一丁目と錦一丁目にそれぞれ編入され、その歴史に幕を閉じました。この編入により、竪三ツ蔵町という地名は消滅しました。

まとめ

竪三ツ蔵町は、その名の由来となった三ツ蔵とともに、名古屋の歴史を語る上で重要な役割を果たしました。町の変遷は、名古屋市の行政区の変遷を反映しており、都市計画や歴史研究において貴重な情報を提供しています。

参考資料

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名

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