競獅子

ナザレス『競獅子』（Rampant）

1974年に発表された『競獅子』（きおいじし、原題: Rampant）は、スコットランドを代表するハードロックバンド、ナザレスにとって通算5作目にあたるスタジオ録音盤です。前作に引き続き、著名なプロデューサーであるロジャー・グローヴァー（ディープ・パープル）が制作を手掛けましたが、本作が彼とナザレスが共に制作した3枚目にして最後のアルバムとなりました。

本作には、バンドのハードロックサウンドを基調としながらも、多様な楽曲が収録されています。特に、中国の都市を冠した「上海の札つき野郎」は、キャッチーな魅力を持つ楽曲です。

収録曲

アルバムには以下の8曲が収録されています。

にせ金づくりの詩 (Silver Dollar Forger) Parts 1&2 – 5:36
顔も見たくない (Glad When You're Gone) – 4:17
ラヴド・アンド・ロスト (Loved And Lost) – 5:12
上海の札つき野郎 (Shanghai'd in Shanghai) – 3:43
ジェット・ラグ (Jet Lag) – 6:43
ライト・マイ・ウェイ (Light My Way) – 4:09
サンシャイン (Sunshine) – 4:15
a) シェイプス・オブ・シングス (Shapes of Things) b) スペース・サファリ (Space Safari) – 6:21

収録曲の大部分は、バンドの中核メンバーであるダン・マッカファーティー、ピート・アグニュー、マニー・チャールトン、ダレル・スウィートの4人によって書かれました。ただし、8曲目の「シェイプス・オブ・シングス」は、バンドメンバー以外のジム・マッカーティ、キース・レルフ、ポール・サミュエル＝スミスによって提供された楽曲です。

参加ミュージシャンと制作スタッフ

本作のレコーディングには、バンドメンバーに加え、複数のミュージシャンやエンジニアが関わっています。

バンドメンバー

ダン・マッカファーティー: ヴォーカル、フォトグラフィー
ピート・アグニュー: ベースギター、ギター、バックグラウンドヴォーカル、ライナーノーツ
マニー・チャールトン: ギター、プロデューサー、フォトグラフィー
ダレル・スウィート: ドラム、バックグラウンドヴォーカル、ライナーノーツ、フォトグラフィー

アディショナル・ミュージシャン

ヴィッキー・ブラウン、バリー・セント・ジョン、リザ・ストライク: バックグラウンドヴォーカル
ジョン・ロード: シンセサイザー、ピアノ (#2「顔も見たくない」、#4「上海の札つき野郎」に参加)

その他

ロジャー・グローヴァー: プロデューサー
ルーイ・オースティン: エンジニア
リチャード・ロイ: アシスタントマスタリングエンジニア
マイク・ブラウン: リマスタリング
レッド・スティール: リヴァイスドノーツ
ミック・カーペンター: プロジェクトコーディネーター

特にジョン・ロードは、ディープ・パープルのキーボーディストとして知られており、彼の参加は本作に彩りを加えています。また、ギタリストのマニー・チャールトンもプロデューサーとして名を連ねており、バンド内部からの視点も制作に反映されていることがうかがえます。

『競獅子』は、ナザレスがそのキャリアにおいて重要な時期にリリースした作品であり、彼らのハードロックサウンドの進化を示すアルバムの一つと言えるでしょう。

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