ポール・サミュエル＝スミス

ポール・サミュエル＝スミス（Paul Samwell-Smith、1943年5月8日 - ）は、イングランド出身のロックミュージシャン、音楽プロデューサーです。彼は、1960年代に一世を風靡したロックバンド、ヤードバーズのオリジナルメンバーとして、ベースを担当しました。

サリー州リッチモンドで生まれたサミュエル＝スミスは、ヤードバーズにおいて、楽曲のプロデュースを数多く手掛け、バンドの音楽的成功に大きく貢献しました。しかし、バンドメンバー間の音楽に対する熱意の差や、ツアーにおける長時間の移動によるストレスから、1966年5月にヤードバーズを脱退しました。

ヤードバーズ脱退後、サミュエル＝スミスは音楽プロデューサーとしてのキャリアを本格的にスタートさせます。特に、キャット・スティーヴンスの一連の作品を手掛け、大きな成功を収めました。その他にも、ジェスロ・タル、カーリー・サイモン、元ヤードバーズのメンバーであるキース・レルフとジム・マッカーティが結成したルネッサンスとイリュージョン、マレー・ヘッド、クリス・デ・バー、ビヴァリー・クレイヴェン、クレア・ハミルなど、数多くのアーティストの作品をプロデュースしました。

アイランド・レコードでは、アメイジング・ブロンデルのファーストアルバムとセカンドアルバムを、マーキュリー・レコードでは、オール・アバウト・イヴの2枚のアルバムをプロデュースしています。また、ポール・サイモンの楽曲「アメリカの歌 (American Tune)」をサイモン本人と共同でプロデュースするなど、幅広いジャンルで才能を発揮しました。

1971年には、映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』において、作曲を担当したキャット・スティーヴンスと共に音楽プロデュースを担当しました。

1985年には、ヤードバーズのオリジナルメンバーによって結成されたボックス・オブ・フロッグスに参加し、久しぶりにベースを演奏しました。

1990年には、映画『ハリウッドにくちづけ』の音楽録音および録音監督を担当しました。

1992年、ヤードバーズはロックの殿堂入りを果たし、サミュエル＝スミスも受賞者の一人として、キース・レルフの未亡人と遺児、ジム・マッカーティ、クリス・ドレヤ、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジと共に授賞式に出席しました。

参考文献：
Yardbirds (John Platt, Chris Dreja, Jim McCarty) Sidgwick & Jackson, 1983 ISBN 0-283-98982-3
Yardbirds : The Ultimate Rave-Up (Greg Russo) Crossfire Publications 1997 ISBN 0-9648157-8-8
The Yardbirds (Alan Clayson) Backbeat Books 2002 ISBN 0-87930-724-2

関連項目：
ブルースロック

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