競馬中継 (文化放送)

文化放送 競馬中継の歴史と変遷

文化放送の競馬中継は、スポーツ部が制作し、日本中央競馬会（JRA）主催の中央競馬のメインレースを放送する番組の総称です。その歴史は古く、ラジオ放送黎明期から多くの競馬ファンに親しまれてきました。

ラジオ競馬中継の幕開け

文化放送の前身である日本文化放送協会（NCB）は、1954年5月23日に行われた第21回日本ダービーで、在京民放ラジオ局として初めて競馬中継を実施しました。当時、プロ野球よりも人気があった東京六大学野球の早慶戦中継を中断して行われたというエピソードからも、競馬への注目度の高さが伺えます。

一時中断と復活

その後、文化放送はニッポン放送と同じフジサンケイグループに属するようになり、ニッポン放送が八大競走を中心に不定期中継を行うようになったことなどから、一時的に競馬中継から距離を置きました。しかし、1968年の第35回日本ダービーを中継したのを機に、翌年から日曜日のワイド番組内でメインレースのみの中継を再開しました。

1976年4月以降は、ニッポン放送が関東主場のレースを生中継するようになり、文化放送は『決定!全日本歌謡選抜』を放送していましたが、1994年に『SUPER COUNTDOWN 50』がスタートすると同時に、12年ぶりにメインレースの生中継を復活させました。

リスナー参加型への変遷

競馬中継の復活後は、リスナー参加型の企画を取り入れたり、番組側で予想した馬券の配当金をリスナーに還元したりするなど、様々な試みが行われてきました。ニッポン放送とは異なり、競馬新聞のトラックマンや解説者を実況席に置かず、アナウンサーとタレントが番組を進行するスタイルも特徴的です。

番組タイトルにちなんだコーナー名が付けられることもあり、以下のような例があります。

『キンキンのサンデーラジオ』 - 「当ててよキンキン!」
『竹内靖夫の電リク・ハローパーティー・増刊号』 - 「石川真紀の走れ！ イシカワマキバオー!!」
『グッチ裕三 日曜うまいぞぉ!』 - 「競馬うまいぞぉ!」
『ピピッとサンデー Waku Waku Mix』 - 「WakuWaku 競馬」
『シャングリラ』 - 「ウマ活」
『鷲崎健のヒマからぼたもち』 - 「ウマ崎健」

放送時間とネット体制

放送時間帯は、原則として東日本主場（東京、中山、夏季の福島、新潟競馬場）のメインレース発走時間帯に合わせられます。ただし、GI競走が西日本地区で行われる場合はラジオ大阪、東海ラジオ放送のネットを受けたり、夏季の福島・新潟開催期間中はラジオ福島、新潟放送のネットを受けたりするなど、状況に応じて柔軟に対応しています。

リスナーへの配当金還元

過去には、リスナーから寄せられる電話リクエストで勝ち馬を予想し、的中した場合は配当金額をリスナーにプレゼントする企画や、番組出演者が予想した馬券が的中した場合に、払戻金をリスナーにプレゼントする企画などが行われていました。

実況担当アナウンサー

現在、文化放送報道スポーツセンター所属のアナウンサーが実況を担当しています。

高橋将市
長谷川太

過去には、大野勢太郎、菅野詩朗、鈴木光裕、戸谷真人、中田秀作、坂信一郎、松島茂、矢野吉彦などが実況を担当していました。

ネットワーク

阪神・京都競馬場でのGI競走はラジオ大阪から、中京競馬場での重賞競走は東海ラジオから、福島・新潟競馬場でのメインレースはラジオ福島、新潟放送から実況音声のネットを受けて放送しています。

近年の動向

近年では、インターネットラジオ「PodcastQR」で日曜日の関東主場メイン競走を配信したり、プロ野球中継との兼ね合いでイレギュラーな放送形態になったりするなど、時代に合わせた変化が見られます。また、2020年以降は、新型コロナウイルスの影響で、スタジオからのモニター実況を行うケースも増えています。

文化放送の競馬中継は、長年にわたり競馬ファンに愛され続けている長寿番組です。ラジオならではの臨場感あふれる実況と、リスナー参加型の企画で、これからも競馬の魅力を伝えてくれることでしょう。

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