竹富町役場

竹富町役場の概要

竹富町役場（たけとみちょうやくば）は、沖縄県八重山郡に位置する竹富町の行政機関です。この役場は、町の執行機関としての事務を行うための重要な施設となっており、主に地域の行政運営や住民サービスを提供しています。特筆すべきは、竹富町役場が日本の市町村の事務所として最南端に位置している点です。役場は、石垣港から北に約200mの場所にあり、各島との連絡を担う離島ターミナルにも近接しています。

竹富町役場の歴史

竹富町役場の起源は、琉球王国時代にさかのぼります。1524年には、第二尚氏王統の尚真王によって西塘が「竹富大首里大屋子」として任命され、八重山列島の統治を担いました。当初、役所は竹富島に設置されていましたが、1543年には石垣島の大川に移転しました。1896年には沖縄県が八重山郡を設置し、1907年から1908年にかけて町や村の再編が行われました。その後、1914年に竹富村が設立され、村役場は竹富島に置かれましたが、交通の便を考慮し、1938年に石垣町字登野城に移転しました。

1948年には町制を施行し、竹富町役場名義に改称されます。1972年には本土復帰に伴い、現在の竹富町役場に改名されました。その後、1977年に改築された庁舎に移転し、3代目の庁舎となります。

役場移転の議論

役場の所在については、長年にわたり町内で賛否が分かれてきました。事務所が町外に設置されていることから、町の職員はほとんどが石垣市に住んでおり、竹富町に税収がもたらされないとの意見が強くありました。また、町内移転を行うことで島同士の交流が促進され、地域経済にプラスの影響をもたらすのではないかと期待されていました。上述の理由で、町議会でも移転を求める決議が可決され、その候補地には西表島の大原地区が名を連ねました。一方で、市町合併や石垣港への依存度を理由に反対意見も存在し、協議は続いています。

住民投票と新庁舎建設

2015年には新庁舎の建設場所を問う住民投票が実施され、西表島への移転が賛成多数で支持されました。これを受けて、竹富町は新庁舎建設に関する有識者委員会を設置し、西表島に本庁舎を移転する方針を固めました。2022年には新庁舎が竣工し、業務を開始しました。新庁舎は5階建てで、町議会や商工会、観光協会などが入居し、住民向けの宿泊施設も併設されています。

出張所と地域振興

出張所としては、西表東部出張所、西表西部出張所、波照間出張所が設置されており、各所で地域住民をサポートしています。住民に対する各種サービスや証明書交付も行われており、脱藩的な役割を果たしています。

このように、竹富町役場は歴史的背景を持ちながらも、現在、地域住民の生活を支える重要な機関として機能しています。

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