石垣港

石垣港

石垣港は、沖縄県石垣市に位置する重要な港湾であり、その管理は石垣市が行っています。日本最南端の重要港湾として、八重山列島における人や物の流れの中心的な役割を担っています。

概要

石垣港は、沖縄県内や日本各地からの物資が八重山列島へと集積される場所であり、同時に、多くの人々が行き交う旅客拠点としての機能も果たしています。かつては、国交のなかった中華人民共和国と台湾との貿易において、一時的な寄港地としての利用も盛んでしたが、2008年の中台間の直接的な交流が解禁されたことにより、この種の利用は減少しました。

港は石垣島のほぼ南端に位置しており、周辺には竹富町役場石垣庁舎、石垣市民会館、石垣市立図書館といった主要な公共施設や、石垣市の繁華街があります。以前は石垣市役所や沖縄県立八重山病院も近くにありましたが、現在は旧石垣空港跡地に移転しています。

また、かつては国鉄の小荷物輸送の連帯輸送駅にも指定されていました。

歴史

石垣港の歴史は、1872年（明治5年）に汽船「万年丸」が寄港したことに始まります。その後、1924年（大正13年）には木造桟橋が建設され、1933年（昭和8年）には台風により被災しました。1935年（昭和10年）にはコンクリート桟橋が築造され、20トンまでの船舶が接岸できるようになりました。1954年（昭和29年）には琉球政府の重要港湾に指定され、1960年（昭和35年）には本格的な港湾施設の建設が開始され、1963年（昭和38年）に完成しました。1965年（昭和40年）には、3,000トン級の岸壁1バース、1,000トン級の岸壁1バース、500トン級の岸壁3バースが整備されました。

1972年（昭和47年）には、沖縄の本土復帰に伴い、国の重要港湾に指定されました。1981年（昭和56年）には竹富南航路が供用開始され、1993年（平成5年）にはサザンゲートブリッジが供用開始されました。2004年（平成16年）には耐震岸壁が供用開始され、2007年（平成19年）1月31日には離島ターミナルが供用開始されました。2018年（平成30年）7月16日には、離島ターミナル、新港地区緑地、石垣港旅客船ターミナルが「みなとオアシスいしがき」として登録されました。

施設概要

石垣港は、以下の地区から構成されています。

新川地区
美崎町地区: 離島行きの旅客船（高速船）が発着する離島ターミナルがあります。
登野城地区: 離島行きの貨客船（フェリー）が発着する八島フェリーターミナルがあります。
浜崎町地区: 港湾ターミナル、A-F岸壁、海上保安庁の専用埠頭などがあります。離島フェリー用のフェリーバースが計画されています。
浜崎船だまり: 官公庁船や遊漁船などが発着します。
新港地区（南ぬ浜町）: 外航クルーズ客船用の岸壁が整備されており、人工ビーチも設けられています。

旅客船（高速船）は主に美崎町地区の離島ターミナルから、貨客船（フェリー）は登野城地区の八島ふ頭から発着します。大型クルーズ船は新港地区のクルーズ船専用岸壁を利用します。

美崎町地区

離島ターミナル

離島ターミナルは、主に高速船が発着し、八重山列島各地への交通拠点となっています。

安栄観光
竹富島、小浜島、黒島、西表島、波照間島、鳩間島
八重山観光フェリー
竹富島、小浜島、黒島、西表島、鳩間島

登野城地区

八島ふ頭

八島ふ頭は離島ターミナルの対岸に位置し、主に八重山列島内の定期航路の貨客船（フェリー）が発着します。沖縄の離島航路では、旅客船と同時に貨物輸送が可能な船舶の運航が義務付けられているため、各社が旅客船と同じ航路で貨客船を運航しています。

安栄観光
離島ターミナルに発着する旅客船と同じ航路
八重山観光フェリー
離島ターミナルに発着する旅客船と同じ航路
福山海運
与那国島

浜崎町地区

かつては長距離フェリーや大型クルーズ船が発着していましたが、現在は貨物船の利用が中心です。2021年度には八島ふ頭の機能が本地区の新たなフェリーバースに移転する予定です。

E/F岸壁・石垣港ターミナル

かつては沖縄本島や本土を結ぶ長距離フェリーが発着しており、フェリー用のターミナルが整備されていました。現在は貨物船や大型クルーズ船が利用していますが、大型クルーズ船の発着は新港地区に一元化されました。

浜崎桟橋・浜崎船艇基地

海上保安庁の巡視船専用桟橋及び船艇基地があり、4バースを備えています。

石垣港湾合同庁舎

第十一管区海上保安本部石垣海上保安部
沖縄地区税関石垣税関支所
那覇植物防疫事務所石垣出張所
福岡出入国在留管理局那覇支局石垣港出張所

新港地区

大型国際旅客船ターミナル

新港地区では、20万トン級クルーズ船に対応可能な岸壁の整備が進められています。2018年には、7万トン級に対応可能な岸壁が暫定供用され、その後も拡張工事が進められています。岸壁の背後には駐車場やシャトルバス乗り場が整備されています。

関連項目

日本の港湾一覧#沖縄県

外部リンク

石垣市建設部港湾課
国土交通省石垣港湾事務所
みなとオアシスいしがき - 沖縄総合事務局

もう一度検索