竹嶼

竹嶼の詳細

竹嶼（ちくしょ）は、韓国名では竹島（チュクト）とも呼ばれ、鬱陵島の東側、約2.2kmの距離にある島です。大韓民国の慶尚北道鬱陵郡に属し、南北に約700mの細長い形状をしています。かつては竹嶼島（チュクソド）という名前で知られ、旧称に由来して日本名もこの名称から派生しています。しかし、韓国名の竹島は領土問題を抱える「独島」と同名であるため、混乱を招くことがありますが、両者は異なる島です。

地理的特徴

竹嶼は、鬱陵島に属する付属島の中で最も大きい島であり、面積は207,818平方メートルです。このうち、約52,549平方メートルは耕地となっており、最高点は海抜116メートルです。古いヨーロッパの海図では「Boussole Rock」や「Ou-san」などと表記されており、歴史的な重要性も持っています。

島の周囲は断崖の絶壁に囲まれており、砂浜は存在しませんが、中央部は比較的平坦で台地状の地形を形成しています。台地には、女竹（笹）や芋を栽培する畑が広がっており、自然環境が豊かです。個人が所有している有人島で、1つの家族が居住しています。1993年以降は観光地として開放され、鬱陵島から観光船でのアクセスが可能です。乗船時間はおおよそ片道20分ですが、悪天候の場合には出航が中止されることもあります。

観光客は、船が接岸後に螺旋状の階段を上がって島の上部に入ります。観光には入場料が必要で、前もって権利者との交渉が求められます。ここではキャンプも可能で、ピクニック場やヘリポート、釣り場などの整備も計画されています。特に人気があるのは、芋を使ったジュースで、竹嶼の名物として多くの人々に親しまれています。

展望台は島の中央部西側に設置されており、南側に杏南や芋洞、北側に観音島などの景観を楽しめます。近くには小さな川が流れ、周囲の美しい自然景観が広がっています。島の北端にある階段を登ると小高い丘が見え、そこは山林となっています。

なお、竹嶼は水道設備が整っておらず、雨水をためて生活用水として利用しています。飲料水は鬱陵島本島から持参しなければなりません。また、電力は小型の風力発電所で賄われており、環境に配慮した生活が営まれています。島内には学校が存在せず、2007年には衛星インターネットが開通しました。

歴史的背景

竹嶼に関する歴史は非常に興味深いもので、18世紀後半の韓国の古地図では「于山島」として登場します。この島を竹嶼と見なす意見と、日本との間で領有権が対立している竹島（韓国名：独島）に関連付ける見解が存在します。日本政府は後者を支持しており、このことから竹嶼の認識には国際的な対立が影を落としています。

1699年と1702年には、鬱陵島を監視していた官吏により作成された「鬱陵島図形」にも「大于島」として竹嶼が描かれています。1711年の「欝陵島図形」には「于山島」が表記され、この島が竹嶼に該当すると記されています。この周辺の地図は、竹嶼の歴史的位置関係を考える上で重要な資料とされています。

近代においても、1881年には李奎遠によって作成された地図に竹嶼が描写され、また郡設置に伴い1900年には竹嶼が「石島」と共に鬱島郡の管轄下に入ることが定められました。

このように竹嶼は、自然景観の美しさと歴史的な背景を併せ持つ場所であり、今後の開発や保護が期待される海の楽園です。

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