竹本住太夫 (7代目)

7代目竹本住太夫の業績と生涯

7代目竹本住太夫（たけもと すみたゆう）は、1924年10月28日、大阪にて生まれました。彼は義太夫節の名人であり、その芸術性で日本の伝統文化に大きく貢献した重要無形文化財保持者（人間国宝）です。竹本住太夫の本名は岸本欣一であり、彼は6代目竹本住太夫の養子でした。

住太夫は1946年に、後の豊竹山城少掾となる2代目豊竹古靱太夫に入門し、文楽の世界に足を踏み入れました。1960年には9代目竹本文字太夫を襲名し、その後1985年に7代目竹本住太夫を名乗ることになりました。この年には、モービル音楽賞の邦楽部門を受賞し、その名声は高まりました。

彼の業績は、文化の伝承だけではなく、さまざまな賞にても評価されました。1989年に重要無形文化財保持者として認定され、2002年には日本芸術院会員に就任。さらに、2004年には毎日芸術賞、2005年には文化功労者としての名誉を得ました。2007年度には朝日賞を受賞し、2008年にはフランスの芸術文化勲章コマンドゥールの名誉も授与されました。また、彼は2013年に菊池寛賞を受けるなど、その活動は幅広く、多岐にわたりました。

住太夫は、2014年には現役を引退することを公表し、同年5月26日には国立劇場小劇場にて最後の舞台を務め、長いキャリアに幕を下ろしました。引退宣言は多くのファンに悲しみをもたらしましたが、その後も彼の功績は語り継がれました。彼は同年に文化勲章を受章しました。

2018年4月28日、住太夫は大阪の病院で肺炎のため93歳で亡くなりました。彼の息子や孫も芸術の道を歩んでおり、特に孫の岸本みゆきは著名な脚本家として知られています。住太夫の影響は、彼の家族や後進の芸術家たちにも引き継がれています。

著作と評伝

住太夫は多くの著作を残しており、それらは彼の知識や経験を深く知る貴重な資料となっています。1985年には『言うて暮しているうちに 文楽説き語り』を出版し、2003年には『文楽のこころを語る』を上梓しました。また、2015年には自伝的な著作『七世竹本住大夫 私が歩んだ90年』も発表しました。さらに、彼に関する評伝も多く、特に高遠弘美の『七世竹本住大夫　限りなき藝の道』は彼の生涯を詳しく伝える作品です。

住太夫の芸術は、文楽の伝統を守り続ける重要な役割を果たし、今後も多くの人々によって受け継がれていくことでしょう。

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