竹本岡太夫

竹本岡太夫の系譜とその影響

竹本岡太夫（たけもと おかたゆう）は、義太夫節の太夫として江戸中期から活躍し、名跡は経て代々受け継がれてきた。初代から七代目までの系譜は、浄瑠璃の発展に寄与し続け、特に竹本綱太夫系の名跡としての重要性を持つ。

初代岡太夫の誕生と活躍

初代岡太夫の詳細な生没年は不明だが、彼は陸奥此太夫（竹本此太夫・豊竹筑前少掾）に師事し、摂州豊島郡岡町（現在の大阪府豊中市）で生まれた。彼は本名を又兵衛と言い、岡町の又兵衛から「岡又」と称されるようになった。

彼は早くから浄瑠璃を好み、評判を呼び寄せた結果、陸奥此太夫の門弟となり、1755年頃にはすでに名人として知られる存在となっていた。代表作には「国姓爺合戦」などがあり、彼の名は全国的に知れ渡るほどの人気を博した。

二代目の台頭と名跡の移譲

二代目は竹本弓太夫から名乗られ、初代の孫弟子である。彼の初出座は江戸・大阪での公演が中心で、竹本岡太夫の名を引き継ぎ、次世代へつないでいった。二代目岡太夫は、数々の名作で座本を務め、その技術に定評があった。

三代目とその系譜

三代目は豊竹房太夫が名乗った。彼は初代豊竹巴太夫の弟子であり、時には二代目岡太夫としても名乗られることがあった。彼もまた、多くの名劇に出演し、義太夫の振興に貢献した。

四代目の登場

四代目は二代目竹本八十太夫から名乗られ、彼は竹本春太夫の門弟であった。彼が四代目岡太夫を襲名したのは1825年頃とされ、その後も義太夫節の発展に寄与した。

五代目、六代目の活躍

五代目は豊竹百合太夫から名を改めたもので、彼は四代目の門弟であった。五代目岡太夫として名乗るようになり、義太夫を受け継ぐ役割を果たしていった。さらに、六代目は豊竹宮太夫から改名し、近代においても活発に活動を続けた。

七代目とその展望

最後に登場する七代目は豊澤猿太郎を経て、豊竹岡太夫を名乗ることになった。彼は東京生まれであり、大正時代から昭和にかけて活躍し、さらに名跡を継承していく。

まとめ

竹本岡太夫の名跡は、義太夫の歴史の中で非常に重要な役割を担っており、各代がその伝統と技術を受け継ぎ、発展させてきたことがわかる。三味線とともに多くの名作を世に送り出し、浄瑠璃文化の発展に貢献した岡太夫たちの物語は、これからも多くの人々によって語り継がれていくだろう。

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