竹村之宏

竹村 之宏（たけむら ゆきひろ）

1946年生まれの日本の経営学者。専門分野はリーダーシップ論。1969年3月に京都大学教育学部を卒業後、企業で人事関連の業務に携わり、その実務経験を基盤に研究活動へ転じた。

経歴

大学卒業後、日阪製作所に入社。同社では一般的に人事課に相当する「人間課」などで、人材に関する様々な業務に携わった。企業における人的資源管理の実践的な経験は、その後の学術活動において重要な糧となった。

その後、教育界へ転じ、東海大学短期大学部や名古屋外国語大学で講師を務めたほか、九州東海大学工学部では助教授として教鞭をとった。

特に多摩大学においては、1989年4月から2005年3月まで経営情報学部教授として長年勤務し、同学部の発展に貢献。退職後も2005年4月から2013年3月まで名誉教授および客員教授として後進の指導にあたった。この間、同時期に浜松大学ビジネスデザイン学部経営情報学科でも2005年4月から2013年3月まで特任教授を務め、多方面で教育・研究活動を展開した。

主な活動

竹村氏は、教育・研究活動に加え、様々な団体や公的機関においても重要な役割を果たしてきた。

現在の役職：
多摩大学経営情報学部 名誉教授・客員教授（2005年4月～2013年3月）
浜松大学ビジネスデザイン学部経営情報学科 特任教授（2005年4月～2013年3月）
日本労働ペンクラブ 幹事
日本開発工学会 理事・運営委員

公的な場での発言や提言も多く、財務省、国土交通省、人事院といった国の機関をはじめ、NHKの「日曜討論」への出演、JICA（国際協力機構）での活動など、多岐にわたる場でその専門知識を活かしている。

著書

長年の研究成果は、多数の著作として結実している。リーダーシップ、人事戦略、日本型経営、人間関係などをテーマにした著作は、学術的な考察だけでなく、企業での実務経験に基づいた実践的な視点も含まれているのが特徴である。

単著

『リーダーシップ新時代』―時代変化と求められるリーダー像
『日本型を活かす人事戦略』―グローバルスタンダードだけでいいのか
『共同体原理の経営』―日本人の創造性が企業を救う!
『人事評価の真実』―出世する人はここが違う
『管理者の人間学』―時代は人を支点に回り始めた
『男30代からの出世の王道』
『新時代の人財開発戦略』
『日本人の誇りと働き方』
『相手の立場と気持を察知する法』―あらゆる対人関係を有利に運ぶ本
『進化する日本型経営』―業績主義人事を超えて
『日本型人事管理の戦略』―人間主体経営を創造する
『21世紀型人財開発の視点』

これらの単著以外にも、複数の研究者や専門家と共同で執筆した共著や、海外の経営書・ビジネス書の翻訳も手掛けている。

共著

『経営・人事労務管理要論』（服部治との共著）
『発想の発想法』（川勝久との共著）
『信頼を増す16のノウハウ　人との接し方・応じ方』（複数名との共著）
『職場の人間学』―部下・上役を動かす83のポイント（上田敏晶との共著）
『アイデアがどんどん湧いてくる潜在能力発想法』―未開発能力を引き出す創造力の高め方（川勝久との共著）
『生きるにも技術がいる』―人生工学の発想（川勝久との共著）
『職場の人間学』―部下・上役を動かす83のポイント（上田敏晶との共著）

翻訳

『すぐ使える会議進行術』（エバ・S.レインマン著）
『上手なビジネス時間の活かし方』（ジム・デビッドソン著）

その他

学術・ビジネス分野に留まらず、映画評論家の淀川長治氏や元陸軍少尉の横井庄一氏といった、異分野の著名人との交流もあったことが知られている。

長年にわたり、企業実務と教育・研究、さらには社会活動を通じて、日本の組織におけるリーダーシップのあり方や人事戦略について深く探求し、その知見を広く社会に発信し続けている人物である。

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