竹村健一のずばりジャーナル

竹村健一のズバリジャーナル

『竹村健一のズバリジャーナル』は、日本のラジオ界において約30年にわたり放送された長寿番組です。評論家の竹村健一氏がパーソナリティを務め、彼独自の鋭い視点から世相、政治、経済など多岐にわたるテーマを解説し、持論を展開するトークスタイルが特徴でした。

この番組はニッポン放送で制作され、朝日放送（現：朝日放送ラジオ）へネットされていました。1976年4月に放送を開始し、2006年3月まで足掛け30年にわたり、多くのリスナーに親しまれました。放送形態としては、独立した番組としてではなく、主に各局の午後のワイド番組に内包される形で放送されていました。

ニッポン放送においては、『いまに哲夫の歌謡パレードニッポン』『つかちゃんの今日も快調!ほがらか大放送』『おひるはバッカ〜ン!』『つかちゃんのりこのGO!GO!ヒットパラダイス』『のってけテリー!渚の青春花吹雪』『テリーとうえちゃんのってけラジオ』『鶴光の噂のゴールデンアワー』『垣花正のニュースわかんない!?』『笑顔満開!ひでたけ・のりこの大吉ラジオ』『笑顔満開!ひでたけ・よしこの大吉ラジオ』など、様々なワイド番組内に組み込まれていました。ABCラジオでは、放送開始当初から長らく午後のワイド番組に内包されていましたが、一時的に独立した番組として放送されていた時期もあり、その際はニッポン放送からABCラジオ向けに別途オープニングが裏送りされ、竹村氏による番組タイトルコールが聞かれました。

番組の顔である竹村健一氏を支えたのは、時代ごとにバトンを受け継いだ歴代のアシスタントたちです。初代は1976年4月から1993年4月まで長期間担当した那須恵理子氏。2代目は塚越孝氏が1993年5月から1996年3月まで務め、彼は内包先だった『つかちゃんの今日も快調!ほがらか大放送』や『おひるはバッカ〜ン!』のメインパーソナリティも兼任していました。塚越氏は当初自己紹介でニックネームを使っていましたが、後にABCラジオへの配慮からか本名で名乗るようになったというエピソードも残されています。3代目は三島美佳子氏（1996年4月～2001年3月）、4代目は田中美和子氏（2001年4月～2002年9月）で、田中氏は内包先の『鶴光の噂のゴールデンアワー』のアシスタントも兼務していました。5代目は山本まゆ子氏（2002年10月～2004年3月）、6代目は冨田のりこ氏（2004年4月～2005年3月）で、冨田氏も『笑顔満開!ひでたけ・のりこの大吉ラジオ』のアシスタントを兼任していました。最終的に7代目アシスタントとして、2005年4月から番組終了の2006年3月まで増田みのり氏が担当しました。

放送時間は、ニッポン放送では主に平日の夕方、ABCラジオでは主に平日の午後に設定されており、時期によって若干の変動がありました。例えば、ニッポン放送では15時50分からの10分間、過去には15時台の早い時間に放送されたこともあります。ABCラジオでは13時20分からの10分間が一般的でしたが、1980年代前半には夕方16時台に放送されていた時期もありました。

スポンサー体制にも特徴があり、長年にわたり太田胃散の一社提供が続いていましたが、ニッポン放送ではオリエントコーポレーション（オリコ）や和光ケミカルなどが、ABCラジオではカープラザ三菱、菊正宗酒造、リサイクルショップエコロなどが提供に関わった時期もありました。番組終了後も太田胃散は当該時間帯のスポット提供を続けた後、別の番組で再び単独スポンサーとなっています。

内包番組としての性質上、独立した明確なオープニングやエンディングは原則として存在せず、内包先の番組の出演者がタイトルコールや提供読みを担当していました。しかし、前述の通りABCラジオで独立番組だった時期には、ニッポン放送から裏送りされたABC向けのオープニングが存在しました。また、1995年頃には、寿の楽曲『CALLING YOU』（CDアルバム『いのちのうた』収録）がオープニングやエンディングで使用されていた時期があります。

この番組の影響は後のラジオ番組にも見られます。ABCラジオの土曜朝の生ワイド番組『サクサク土曜日 中邨雄二です』では、スポーツアナウンサーの中邨雄二氏によるニュース解説コーナーが「雄二ジャーナル」と名付けられており、中邨氏自身が『ズバリジャーナル』を意識した構成であることを公言しています。竹村氏の永眠に際しては、このコーナーの冒頭でその訃報が伝えられました。また、朝日放送で当番組の直後に放送されていた『三代澤・宮根・桜井のスラスラ水曜日』では、2004年までパロディコーナー「三代澤・宮根・桜井のずぼらジャーナル」が放送されていました。

約30年の長きにわたり、評論家・竹村健一氏の「ズバリ」と切り込む論評は、多くのリスナーに情報提供と考えるヒントを与え続けました。ワイド番組の一部でありながらも、その存在感は際立っていたと言えるでしょう。

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