竹田城

竹田城の概要

竹田城（たけだじょう）は、かつて兵庫県朝来市和田山町に存在した日本の山城であり、その美しさから「天空の城」とも称されています。この城は、その縄張りが虎が伏せているように見えることから、別名虎臥城（とらふすじょう）や古城と呼ばれています。また、豊臣秀吉の支援を受け、赤松広秀が石垣で築き直したことでも知られ、その歴史的価値から国の史跡として指定されています。

竹田城は、古城山の山頂に位置し、標高は353.7mです。平面図において南北約400m、東西約100mという広大な範囲を有し、天守台が中央に据えられています。本丸、二の丸、三の丸、南二の丸が連郭式に配置されており、周囲には双翼として北千畳部と南千畳が存在します。そのため、竹田城は現存する山城の中では日本屈指の規模を誇ります。

歴史の沿革

室町時代

竹田城の築城時期については文献の中でも不明確な点が多いですが、江戸時代末期の『和田上道氏日記』には、嘉吉年間に丹波国と播磨の境に「安井ノ城」が築かれたと記されています。これが竹田城にあたるとされています。伝承によれば、嘉吉3年には山名持豊によって築城され、太田垣光景が初代城主に任じられたということです。この時期、竹田城は播磨と但馬の国境を守る重要な拠点とされていました。

戦国時代

応仁の乱が勃発すると、竹田城は細川氏と山名氏の争いの舞台となり、その後も竹田城の城主であった太田垣氏は、外敵と戦わねばなりませんでした。1468年には竹田城から出撃し、細川軍と交戦するなど、国境を守るために多くの戦いが繰り広げられました。やがて、山名氏が一時播磨を制圧していたこともありましたが、その勢力は衰えていきました。

安土桃山時代

竹田城は、尼子氏が毛利元就に滅ぼされた後、出雲奪還を目指す動きの中で再び重要な拠点として注目を集めます。1580年には羽柴秀長が城を制圧し、竹田城は完全に羽柴氏の管理下に置かれることとなりました。これ以後、竹田城はじっくりと改修され、現在の姿に近づいていきます。

江戸時代と廃城

1643年には、竹田城は廃城となりますが、その後も城跡としてその名が残ります。1932年には予てから行われていた修復作業が進み、戦後からは観光名所として広く知られるようになっていきます。

観光名所として

近年、竹田城は「天空の城」として多くの観光客を魅了しています。特に秋から冬にかけては雲海が発生し、城が雲に浮かぶ様子が幻想的です。また、周辺には登山道が整備され、多くの人々がこの城跡を訪れています。訪問時期や条件によっては、雲海の中に浮かぶ竹田城の姿を望むことができ、多くの写真家たちにとっても人気の被写体となっています。

竹田城は今後もその姿を残し、訪れる人々に歴史の浪漫を伝えていくことでしょう。

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