竹越與三郎

竹越 與三郎についての詳細

竹越 與三郎（たけこし よさぶろう、1865年11月22日 - 1950年1月12日）は、明治から昭和にかけての重要な日本の歴史学者及び政治家です。彼は多彩な経歴を持ち、歴史学や思想史における独自の見解で知られています。特に彼は衆議院議員、枢密顧問官、そして宮内省の重要な職務を歴任し、その後戦後に公職追放を受けるまで多方面で活動してきました。

生い立ちと教育

竹越は武蔵国本庄宿（現在の埼玉県本庄市）に生まれ、酒造業を営む家庭に育ちました。彼は新潟県中頸城郡で成長し、兄弟には陸軍軍人の中村興麿がいます。上京後、竹越は中村敬宇に学び、1881年には慶應義塾に入学。福沢諭吉の助言で報道に身を投じ、以降、新聞に執筆を始めました。1883年には新潟県柏崎の伯父の養子となり、政治や歴史への興味を深めました。

キャリアのスタート

竹越は民友社での活動を経て、1890年に創刊された『国民新聞』での政治評論活動を開始しました。彼の著書『格朗穵（クロムウェル）』は在野の歴史家としてのデビュー作となり、その後明治維新を扱った『新日本史』を執筆しました。この作品は、日本の歴史研究における重要なマイルストーンとなり、竹越自身が「日本のマコウレー」と称される理由ともなりました。

政治家としての活動

竹越は日清戦争を背景に、国粋主義に傾倒しつつも、政治的立場は変動しました。多くの支持を受けて衆議院議員に当選し、政治家としての実績を積み上げました。また、西園寺公望の側近として、文部大臣秘書官としても活動し、昭和期を通じて日本の政治に影響を与えました。彼は特に南進論を主張し、アジア全体の復興に貢献する考えを持っていました。

晩年と学問的影響

戦後、竹越は公職を辞し、歴史観や思想についての考察を続けました。彼は国民や個人の思想における変化を重視し、歴史の中での経済的要因の重要性を説きました。また、自由主義やダーウィニズムの立場から、社会主義や軍国主義に対抗しました。

竹越は1950年に世田谷で亡くなり、彼の名は今もなお日本の歴史学界に残り続けています。彼の業績は、後の世代の学者への影響を与え、日本の歴史理解を深める一助となりました。彼の著書や思想は、戦前から戦後にかけての複雑な歴史を学ぶ上での重要な資料となっています。

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