笂井町

笂井町

群馬県前橋市の南部にあたる笂井町（うつぼいまち）は、郵便番号379-2115を持つ地域です。2013年時点での面積はおよそ1.29平方キロメートルを測ります。

地理

この地域は、市内を流れる桃ノ木川の流域に沿って広がっています。特徴的な地理的情報として、2015年（平成27年）に実施された国勢調査の結果において、群馬県の人口重心がこの地に位置していることが挙げられます。地域内を流れる主要な河川は桃ノ木川です。

歴史

笂井町とその周辺地域には、古くから人々が生活を営んでいた痕跡が見られます。特に町北部にある字八日市の周辺からは、水田の跡や古墳といった古代の様相を示す遺跡が発見されています。

地名としての「宇坪井村」の名は、室町時代頃から存在していたと考えられています。例えば、『木瀬村誌』によれば、上野国の守護を務めた山内上杉氏の所領目録である『上州之内持分之事』（桐生市彦部家文書所蔵）の中に、「大胡庄之内」の一部として「宇坪井村」の記載が見られます。これは、戦国時代の史料にも同村の名前が登場していることを意味します。

江戸時代に入ると、宇坪井村は前橋藩の領地となりました。これは、天正18年（1590年）に平岩親吉が前橋城主となった後のことでした。以後、江戸時代を通じて前橋藩の支配下に置かれます。

近現代の行政区域の変遷は以下の通りです。

明治22年（1889年）4月1日：町村制が施行され、宇坪井村は天川大島村や上大島村など11の村と合併し、南勢多郡木瀬村の一部となりました。
明治29年（1896年）4月1日：南勢多郡と東群馬郡が再編・統合され、勢多郡が成立したことにより、木瀬村は勢多郡に属することになります。
昭和32年（1957年）1月20日：勢多郡の木瀬村と荒砥村が合併し、新たに城南村が誕生しました。
昭和42年（1967年）5月1日：城南村が前橋市に編入されたことにより、旧宇坪井村の地域は前橋市の一部となり、現在の「前橋市笂井町」としてその地名が定められました。

地名の由来

「笂井」という地名の起源については、興味深い伝承があります。かつてこの辺りを利根川が流れていた頃、人々が竹を編んで作られた「ウツボ」と呼ばれる漁具を用いて魚を捕らえていたことから、「笂」という漢字が用いられ、やがて「笂井」という地名が生まれたと伝えられています。

交通

鉄道の駅は町内にはありません。公共交通としてはバス路線が運行されています。道路網については、主要な幹線道路として国道50号線が地域を横断しており、また、群馬県道40号藤岡大胡線も通過しています。これらの道路は、地域の交通アクセスにおいて重要な役割を担っています。

主な施設

町内には、教育機関として前橋市立笂井小学校が所在しています。医療施設としては、善衆会病院の新しい病棟が設けられています。また、寺院である安養院は天台宗に属し、医王山安養院真福寺という山号・院号・寺号を持っています。神社としては近戸神社があり、かつては村社として崇敬されていました。

（2017年8月31日現在の世帯数および人口、並びに市立小・中学校の学区についても定められています。）

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