笑福亭松喬 (7代目)

7代目笑福亭松喬について

7代目笑福亭松喬（しょうふくてい しょきょう）は、1961年3月4日に生まれた日本の落語家で、松竹芸能に所属しています。彼の本名は井田達夫（いだ たつお）で、実家は兵庫県西宮市上ヶ原にあり、小学校4年生まで尼崎市杭瀬で過ごしました。彼の落語への興味は、家族の影響から芽生え、特に母方の祖父から落語を聞く機会を得たことが、彼にとっての原点となりました。

落語家を志すまで

彼が落語に触れたのは、中学2年生の時、深夜ラジオで流れていた『初天神』がきっかけでした。当時の演者の記憶はありませんが、この出来事が彼を落語の世界に引き寄せました。しかし、高校在学中は親から落語家の道に反対されていました。しかし、英語の教員が彼に桂小枝を紹介し、彼の苦労話を直接聞く機会が訪れました。この経験を通じて小枝から進学の大切さを説かれ、彼は大学へ進学することに決めました。

彼は大阪産業大学交通機械工学科に進学し、在学中は週に2回も落語の会に参加しました。大学卒業後の1983年4月には、師匠の6代目笑福亭松喬の弟子入りし、最初は笑福亭笑三の名で活動が始まりました。1987年、師匠が名跡を継いだことを受けて、彼も三喬と名乗ることになります。

主な活動と功績

2008年からは母校の客員講師を務め、後に2016年8月には7代目松喬を襲名することを宣言しました。そして2017年10月には、大阪松竹座で襲名披露公演を行い、正式に7代目松喬となりました。

彼のユニークな外見と性格から、愛称は「落語界のくまのプーさん」として親しまれています。また、頭髪の角刈りが彼のトレードマークでもあります。ファンからは「ヘリポート師匠」とも呼ばれることがあります。

松喬は上方落語の伝統的なスタイルを守る一方、東京の盗人噺にも挑戦し、幅広い演目を手掛けてきました。彼は特に『盗人噺』を得意としており、前名時代から29年間にわたり刑務所を慰問し、受刑者たちの前でこれらの噺を披露しています。

メディアと受賞歴

彼はラジオ番組にも多数出演し、『伊藤史隆のラジオノオト』などの番組でパートナーを務めており、リスナーに愛される存在です。また、数々の受賞歴も持ち、1988年には「第9回ABC漫才落語新人コンクール」落語部門で最優秀新人賞を獲得しました。2021年には「第76回文化庁芸術祭」大衆芸能部門大賞を受賞するなど、彼の落語家としての実力が評価されています。

私生活と趣味

松喬はまた、コーヒー愛好家でもあり、2019年には自身名義のコーヒー豆をプロデュースしました。しかし、ブラックコーヒーは飲めないため、興味深い性格の持ち主です。

武道館や松竹座など日本全国での舞台公演の他、様々なメディアでの活動を通じて、彼は今後もさらなる成長と活躍が期待される落語家です。

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