大阪松竹座

大阪松竹座

大阪松竹座は、大阪市中央区道頓堀に位置する重要な劇場で、松竹株式会社が運営しています。この劇場は、江戸時代にさかのぼる五つの芝居小屋には含まれていない新しい文化施設ですが、そこでのパフォーマンスは、地域の文化や芸能の発展に大きく寄与しています。

歴史的背景

大阪松竹座は、1923年に竣工した日本初の鉄骨・鉄筋コンクリート構造を持った映画館です。外観はネオルネッサンス様式で、テラコッタの装飾された正面の特徴的なアーチが印象的です。この劇場は、イタリア・ミラノのスカラ座をモデルに、大林組の設計によって作られました。

オープン初日には、エルンスト・ルビッチ監督の映画『ファラオの恋』や、松竹蒲田撮影所による『母』が上映されるとともに、松竹楽劇部の第1回公演である『アルルの女』も上演されるなど、華やかなスタートを切りました。この劇場は、梅田の北野劇場と並ぶ大阪の洋画の殿堂として知られ、優れた外国映画の上映を行ってきました。また、松竹楽劇部から派生した大阪松竹少女歌劇団のレビュー公演も頻繁に実施されました。

第二次世界大戦後、松竹映画の封切館として再開され、大阪松竹座は洋画ロードショー館へと転向。1970年代には、渋谷パンテオンや丸の内ルーブル系列の映画館となり、名作映画『タワーリング・インフェルノ』や『E.T.』など数多くのヒット作が上映されました。1994年5月8日には、最後の上映作品『風と共に去りぬ』をもって、映画館としての役割が終了しました。

実演の劇場として

劇場は1997年2月に改装され、外観を残しつつ最新の舞台設備を整えた実演劇場として再開されました。以来、松竹制作による歌舞伎や新劇、松竹新喜劇を中心に、様々な公演が行われてきました。近年ではジャニーズのコンサートやミュージカル、さらには落語会も開催されています。

特に2004年には、66年ぶりに大阪松竹歌劇団によるレビュー『春のおどり』が復活し、それ以降毎年行われる恒例のイベントとなりました。2023年には、開場100周年を迎え、「大阪松竹座開場100周年」の記念公演が開催され、地域の人々や観客が楽しむ特別な意味を持つ年となりました。

施設情報

大阪松竹座の座席数は1033席あり、1階に553席、2階に282席、3階に198席、幕見席には12席が設けられています。また、劇場は道頓堀の西端、御堂筋沿いに位置し、グリコのネオンサインに近い場所にあります。最寄りの駅は地下鉄難波駅、心斎橋駅、近鉄・阪神大阪難波駅、南海難波駅などがあり、アクセスにも便利です。

このように、大阪松竹座は歴史的な役割だけでなく、現在でも地域の文化や芸術の発展に貢献し続けています。

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