笑福亭笑利

笑福亭 笑利

笑福亭 笑利（しょうふくてい しょうり）は、1983年10月1日生まれの上方落語家です。本名は米津 卓（よねつ すぐる）。上方落語協会に所属しており、落語家・笑福亭鶴笑の門下生として活動しています。

経歴

一般的な落語家とは異なるユニークな経歴の持ち主です。落語界に入る前、2003年には吉本興業のタレント養成所であるNSC大阪校に26期生として入学しています。お笑いの基礎を学んだ後、落語の道へと進むことを決意し、2014年に笑福亭鶴笑に弟子入りしました。師匠の指導のもと、上方落語の伝統と技術を研鑽し、プロの落語家としてのキャリアを本格的にスタートさせました。

人物・活動

高座での落語はもちろん、多方面でその才能を発揮しています。特に知られているのが、得意とする紙切りです。繊細かつ巧みな手仕事による紙切りは高く評価されており、2020年1月22日から7月26日まで大阪府立上方演芸資料館で開催された企画展示「芸人さんは多才だ!」では、彼の紙切り作品が展示されました。これは、落語家という枠に留まらない、彼の豊かな芸術性と表現力の一端を示すエピソードと言えるでしょう。

また、落語と他の表現方法を組み合わせた試みにも積極的に関わっています。2022年2月19日には、天満天神繁昌亭で行われた「落語とビジュアルアートのアニュアーレ」に出演。ここでは、与えられたお題から即興で落語を創作する三題噺の腕前が評価され、落語部門の初代最優秀賞である「三題噺王」を受賞しました。これは、彼の即興性や構成力といった落語家としての基礎能力の高さを示すものです。

受賞歴

笑福亭笑利の実力は、数々の受賞によっても証明されています。

2022年2月には、「落語とビジュアルアートのアニュアーレ」の落語部門で初代最優秀賞（三題噺王）を受賞。
そして、キャリアにおいて最も重要な受賞と言えるのが、2024年6月に行われた「第10回上方落語若手噺家グランプリ」での優勝です。このグランプリは、上方落語界の将来を担う若手噺家にとって最も権威ある賞の一つであり、多くの注目が集まる中で優勝を果たしたことは、彼の確かな実力と今後の可能性を示すものです。

今後の展望

NSCでの経験、笑福亭鶴笑門下での修行、そして紙切りや三題噺といった多才さ、さらに若手噺家グランプリ優勝という輝かしい実績は、笑福亭笑利が単なる落語家ではなく、表現者として幅広い魅力を持っていることを物語っています。上方落語界期待の新星として、その独特の感性と磨き抜かれた話芸で、これからさらに多くの観客を魅了していくことでしょう。今後の活躍から目が離せない存在です。

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