笑福亭鶴笑

笑福亭鶴笑（しょうふくてい かくしょう）は、1960年5月2日生まれ、兵庫県朝来市出身の上方落語家です。吉本興業に所属し、出囃子は『ハリスの旋風』。本名は金田久和。

パペット落語の創始者、世界へ

鶴笑は、人形を使ったパペット落語の創始者として知られています。「立体西遊記」「時ゴジラ」「あたま山」「義経千本桜」など、独自の演目を多数開発。テレビやラジオのレギュラー番組を多数抱えていましたが、世界に通用する芸を目指し、すべて降板して海外へ拠点を移しました。シンガポールに4年、ロンドンに4年滞在し、ロンドン時代にはコベントガーデンで大道芸も行っていたという異色の経歴を持ちます。

その活動は世界規模に及び、48ヵ国150都市以上で公演を実施。言葉の壁を越え、就学前の子供からお年寄りまで、観客を理屈抜きで笑わせる、唯一無二の落語家として評価されています。

来歴

兵庫県立八鹿高等学校を卒業後、様々な職業を経験。1984年7月、六代目笑福亭松鶴に入門しました。通常、松鶴一門は松竹芸能に所属しますが、鶴笑は六代目松鶴の晩年に入門したため、兄弟子である笑福亭仁鶴の下で修行しやすいように、仁鶴と同じ吉本所属となりました。

新人時代には、心斎橋筋2丁目劇場に出演。落語に関心のない女子中高生を笑わせるため、人形を使い手足にはめて演じるパペット落語を考案しました。この斬新なスタイルが評価され、1993年にABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞を受賞。1998年には、ハンガリー国際人形劇フェスティバルで特別賞を受賞、カナダ国際コメディーフェスティバルにも参加しています。

2000年にはシンガポールへ移住し、パペット落語を中心に英語や現地の言葉で落語を披露。海外での落語・日本文化の普及に尽力しました。シンガポールの日本語ラジオ放送局Hello Singapore FM96.3では、漫談と演歌を紹介する番組を担当しました。

2003年3月には、第53回芸術選奨新人賞を受賞。同年7月には文化庁文化交流使第1号に任命され、8月にはイギリスのエジンバラフリンジフェスティバルを制覇。翌年には文化交流使としてイギリスに渡り、ロンドンを拠点に活動しました。

社会貢献活動

2006年には、慰問活動を目的とした特定非営利活動法人『国境なき芸能団』を設立。これは、トルコでの『国境なき医師団』のメンバーから『心の交流なら落語家さんのほうができるのでは』と言われたことがきっかけでした。

2008年に活動拠点を日本に戻し、同年には繁昌亭大賞創作賞を受賞。2012年1月には、故郷である兵庫県朝来市の観光大使に任命されました。

2018年には、「六代目笑福亭松鶴生誕百年祭」を企画立案し、現存する一門全員が出演する「そろい踏み」を実現させました。2023年には東京都の大道芸ライセンスであるヘブンアーティストを取得。上方落語の発祥が神社などの境内から始まったことに立ち返り、原点回帰として大道芸にも意欲的に取り組んでいます。

主な出演

CM: 和田山竹田家具 - 「和田山生まれの鶴笑さん」のキャッチフレーズ

弟子

笑福亭笑子
笑福亭笑利
笑福亭つる吉（パペット）
笑福亭笑生
笑福亭笑有
笑福亭笑音

外部リンク

笑福亭鶴笑公式サイト「笑う門には福来る」
笑福亭鶴笑の気まぐれ日記 - Ameba Blog
笑福亭鶴笑 (@kakushow1960) - X（旧Twitter）
笑福亭鶴笑 - 上方落語家名鑑
笑福亭鶴笑 - 吉本興業

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