笑福亭鶴松

笑福亭 鶴松（しょうふくてい つるまつ）

「笑福亭 鶴松」は、上方落語において代々継承されてきた由緒ある名跡です。多くの噺家がこの名を名乗り、それぞれの時代で活躍を見せました。

歴代の「笑福亭 鶴松」をたどると、初代は後に二代目笑福亭圓笑を襲名しています。この初代と次の継承者の間には、記録上もう一人、この名を名乗った噺家がいた可能性が指摘されています。

二代目の笑福亭鶴松は、二代目笑福亭松鶴の門下に入りました。初名は小文里といいましたが、後に鶴松を名乗ったとされています。

三代目の笑福亭鶴松は、三代目笑福亭松鶴の門人です。この噺家は、福萬から芝鶴へと改名した後、鶴家団十郎門下に移籍し、そこで団鶴と名を改めました。複雑な改名歴を持つ噺家であったことがうかがえます。

四代目の笑福亭鶴松は、二代目林家木鶴の門人でした。特に注目されるのは、初代桂文我の実の息子であるという血筋です。噺家となる前は徳太郎という名で呼ばれていましたが、後に文子と改名。さらに二代目笑福亭木三松を経て、最終的に四代目笑福亭鶴松を襲名しました。幾度もの改名を経てこの名跡にたどり着いています。

また、「笑福亭 鶴松」とは直接的な名跡の継承関係にあるわけではありませんが、かつて明石家つる松という名の噺家がおり、後に橘家圓三と改名したという記録も残っています。

そして現在、「笑福亭 鶴松」の名を名乗る噺家は、1963年（昭和38年）11月17日生まれの上方噺家です。本名を守山 幸弘といい、大阪府寝屋川市の出身です。血液型はA型と公表されています。

現在の鶴松師は、松竹芸能に所属しており、上方落語協会の会員でもあります。高座に上がる際の出囃子には「官女」を使用しています。学歴としては、大阪府立枚方西高等学校を卒業しています。

噺家としてのキャリアは、1982年（昭和57年）3月5日に、上方落語界の重鎮であった六代目笑福亭松鶴に入門したことから始まりました。六代目松鶴は多くの弟子を育てたことで知られており、現在の鶴松師もその直弟子の一人として、松鶴譲りの落語の道を歩んでいます。

このように、「笑福亭 鶴松」という名跡は、歴代の個性豊かな噺家たちによって受け継がれ、その歴史を紡いできました。現在の鶴松師も、この伝統ある名を背負い、上方落語の発展に貢献しています。その活動は、天満天神繁昌亭の落語家名鑑や松竹芸能の公式プロフィールなどで確認することができます。

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