笠沙町

笠沙町（かささちょう）

鹿児島県川辺郡の南西、野間半島の大部分を占めていた笠沙町は、2005年11月7日に加世田市、大浦町、坊津町、金峰町と合併し、南さつま市となりました。豊かな自然と歴史を持つこの町は、焼酎「一どん」や「黒瀬杜氏」のルーツとしても知られています。

歴史

笠沙町の歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行に始まります。この時、大浦村、赤生木村、片浦村の区域が合併し、西加世田村が成立しました。

1922年（大正11年）12月31日：笠砂村と改称。
1940年（昭和15年）11月10日：町制を施行し、笠沙町となりました。
1951年（昭和26年）4月1日：笠沙町から大字大浦の区域が分立し、大浦村が設置されました。
2005年（平成17年）11月7日：加世田市、大浦町、坊津町、金峰町と合併し、南さつま市となり、笠沙町は消滅しました。

町名の由来

町名の由来は、古事記や日本書紀に記述される神話に遡ります。
日本書紀には、ニニギノミコトが降臨した場所として「吾田の長屋の笠狭の碕」と記されています。この「笠狭」が笠沙の語源であるとされ、「吾田」は薩摩の古名、「長屋」は長屋山、「竹嶋」は野間岬に比定されています。また、笠狭の碕を野間岬とする説も有力です。

「笠狭」「笠砂」「笠沙」と漢字表記が複数存在しますが、日本書紀では「笠狭」、古事記では「笠沙」が使用されています。1923年（大正11年）の村会で、古事記の表記に合わせ笠砂村に改称することが決議されました。なお、この地域に「笠沙」という地名は、村名になる以前は存在しませんでした。

1940年の紀元二千六百年記念行事では、野間半島一帯の4箇所が神代聖蹟の地に指定され、記念碑が建立されました。

行政

笠沙町の最後の町長は、中尾昌作氏でした。

人口

総人口は3,838人、男性1,725人、女性2,113人（2000年国勢調査より）。
年少人口368人、生産年齢人口1,865人、老齢人口1,605人と、高齢化が進んでいました。

教育

中学校

笠沙町立笠沙中学校（2013年に大浦中学校と統合し、大笠中学校となりました）

小学校

2014年4月に3つの小学校が統合され、旧笠沙中学校跡地に「南さつま市立笠沙小学校」として開校しました。

交通

鉄道

町内には鉄道路線が通っていません。最寄りの駅はJR九州指宿枕崎線の枕崎駅ですが、鹿児島中央駅に向かって大きく迂回するため、実用的な利用は困難でした。

道路

一般国道：国道226号
一般県道：鹿児島県道267号野間池港線

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

お伊勢講祭り（2月11日）
野間神社例祭（2月20日）
MUSEUM RESORT 笠沙恵比寿（2000年オープンの観光宿泊施設、2022年に日清丸紅飼料に譲渡され、水産用飼料の研究開発拠点となる予定）

主な出身者

宮路和明 - 政治家（衆議院議員）
若松育美 - 陸上競技選手

脚注

(この部分は省略します。)

外部リンク

笠沙恵比寿
* 我が故郷 笠沙町

笠沙町は、その歴史と自然、そして人々の営みが織りなす、魅力的な場所でした。現在は南さつま市の一部として、その歴史は今も語り継がれています。

もう一度検索