第一次共産党 (日本)

第一次共産党の歴史と背景

第一次共産党とは、日本共産党が1921年から1924年にかけて存在した非合法組織のことを指します。この時期の共産党は、政党というよりも、複数の思想団体の集まりであり、内部はさまざまな社会主義や共産主義の思想が混在していました。

創立の背景

第一次共産党の結成は、1917年のロシア革命の影響を色濃く受けています。ロシアの共産党は、コミンテルンを通じて世界各国の社会主義者たちに影響を与えており、日本でも共産主義革命の動きが盛り上がり始めていました。特に、明治期の弾圧で残された少数の社会主義者たちの間で、新たな政党を結成しようとする動きが活発化しました。

第一次共産党の成立

1921年の春、堺利彦や山川均、近藤栄蔵といった先駆者たちによって、日本共産党準備会が設立され、1922年7月に非合法の「日本共産党」が結成されました。この会合には、8名のメンバーが参加しており、現在の日本共産党はこの日のことを創立記念日としています。

当初、党の組織は非常に緩やかで、細胞を基盤にした中央集権的ではありませんでした。いくつかの思想団体の集まりであり、活動も限られた範囲にとどまりました。メンバーの中には、社会主義者や学生運動を経た人々が多数含まれていました。特に、堺・山川・荒畑など、先進的な思想を持つ者が中心的な役割を担いました。

組織活動と最初の党大会

結成後、共産党はコミンテルンからの承認を受け、政党としての活動を本格化させていきます。1923年にコミンテルンの大会に代表を派遣し、日本共産党として正式に認可を受けます。同年4月には第2回党大会を開催し、新たな党規約を定めることとなりますが、さまざまな内部矛盾を抱えることになります。

一斉検挙と解党

しかし、結党から1年も経たない1923年6月、党は一斉検挙に直面します。この事件では、主要な党員が逮捕され、組織が致命的な打撃を受けます。党内では解散の議論が進み、1924年3月には新たに会議が開催され、解党が決定されました。

解党後も、コミンテルンからの指示に基づき、再建運動が進められ、1925年には再建ビューローが結成されます。その結果、1926年には第二次共産党として再構築され、活動が再開されることになります。

結論

第一次共産党は、その短い期間に数多くの歴史的出来事を経て、日本の共産主義運動の基盤を築いた重要な時期でした。特に、その後の共産党の活動や社会主義の流れに大きな影響を与えたことは間違いありません。その後の日本共産党の発展は、この第一次共産党があったからこそ成し得たものであると言えるでしょう。

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