第一関門丸

第一関門丸と第二関門丸

概要

第一関門丸（だいいちかんもんまる）及び第二関門丸（だいにかんもんまる）は、鉄道省が運営していた関門航路と宇高航路で活躍した自航式貨車航送船です。これらは横浜船渠によって建造され、1919年の夏に就航しました。この船たちは、初めての自航式貨物船として、その構造と機能が特異で注目されました。

設計と機能

この二隻は外輪船の方式を採用しており、船首と船尾のどちらからでも貨車を搭載できる設計になっています。航送の際、関門海峡の速い潮流の影響で、船の旋回が難しいため、迅速な前進、後退、停止が可能な仕組みが重要でした。

車両甲板には、一本の軌道が敷かれており、最大で7両の7t積貨車を搭載することができました。外輪船の特性により、船体は前後対称の形状を持ち、機関や煙突部分を除くと、どちらの方向にも操作しやすいデザインとなっています。

航行の歴史

1926年には第五関門丸が就航し、第一関門丸、第二関門丸は予備船に位置づけられましたが、関門トンネルの開通により1942年に鉄道車両の航送が廃止となりました。その後、これらの船は宇高航路へ転属され、1942年11月と1943年5月にそれぞれ第一関門丸と第二関門丸は新たな航路に配属されました。宇高航路では、改めて必要な施設が設けられましたが、船の特異なデザインが一定の課題をもたらしました。

1945年には、高松市営桟橋で第二関門丸が第四関門丸と衝突する事故が発生しました。また、長年にわたり運航していた関門丸の5隻は、最終的に1948年に運航停止となり、その後は紫雲丸型の船舶によって代替されました。1950年には、日本自動車航送へ売却される運命となります。

基本仕様

第一関門丸と第二関門丸は以下の仕様を持っています。

• - 総トン数：463.1t
• - 全長：184.6 ft（約56.3メートル）
• - 全幅：26 ft（約7.9メートル）
• - 貨車積載能力：7t積貨車 7両
• - 航海速力：10.0kt（約18.5km/h）

また、長い歴史の中で、これらの船が関門航路で果たした重要な役割は、貨物輸送の円滑化という点において際立っています。

結論

第一関門丸と第二関門丸は、自航式の貨車航送船として、貴重な輸送手段を提供しました。その独特な設計と効率的な運行能力は、関門海峡での交通における重要な一翼を担っていました。その後の歴史の中で、新たな船舶に取って代わられることとなりますが、これらの船の存在は輸送における重要なステップを示しています。

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