第三十三国立銀行

第三十三国立銀行は、1878年（明治11年）に東京府新右衛門町（現在の東京都中央区）に本店を置いて開業した国立銀行です。

1878年1月19日に開業免状が下付され、同年2月1日に営業を開始しました。しかし、その経営は長くは続きませんでした。同行は、資本のほぼ全額を生糸会社に投下しました。この投資が焦げ付き、経営は急速に悪化しました。結果として、同行は経営破綻に陥り、大蔵省に対して鎖店を申し出る事態となりました。

大蔵省はこれを受け、1892年（明治25年）3月31日に同行に対して営業停止命令を下しました。これにより、第三十三国立銀行は営業を終えることとなりました。

その後、同行の清算のために、渋沢栄一、阿部泰蔵、末延道成が跡引受人に任命されました。彼らは、同行の残務整理と債務処理を担当しました。また、同行が発行した紙幣については、日本銀行券との交換請求期間が設けられ、預金者や債権者の保護が図られました。

第三十三国立銀行は、1892年（明治25年）7月17日に正式に鎖店し、1893年（明治26年）6月2日に全ての処分が完了しました。その短い歴史の中で、生糸会社への過剰な投資という教訓を残しました。

第三十三国立銀行の事例は、当時の国立銀行が抱えていたリスクと、経営の難しさを示すものとして、後世に語り継がれています。

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