第三次インドシナ戦争

第三次インドシナ戦争

第三次インドシナ戦争は、1978年から1989年にかけてカンボジアとベトナムの間で発生した一連の軍事衝突を指します。この戦争は、カンボジア・[[ベトナム戦争]]と中越[[戦争]]の二つの主要な側面から成り立っていますが、これらを一つの戦争として捉えることはあまり一般的ではありません。冷戦の緊張が高まる中、両国の対立は激化し、国際社会を巻き込んだ一大事となりました。

冷戦と背景

当時の冷戦は、資本主義を掲げる西側諸国と社会主義を唱える東側諸国の対立から成り立っていました。特に、ソ連と中国の間ではコミュニズムの解釈を巡って深刻な意見の違いがあり、この対立はインドシナ地域にも波及していました。ベトナムはソ連に接近し、カンボジアのクメール・ルージュは毛沢東の理念を引き継いでいました。

戦争の発端

戦争の直接的な引き金は、当時のカンボジア政権による自国民に対する凄惨な弾圧でした。特に、ポル・ポトが率いるクメール・ルージュの政権は、多数の人々を虐殺し、これがベトナムの介入を招く一因となりました。ベトナムは1980年初頭、カンボジア国内の反ポル・ポト派と協力して、カンボジアに侵入しました。この過程で、クメール・ルージュはわずか二週間で政権を失い、ヘン・サムリンを首班とする新政府が樹立されました。

新たな政権とその影響

新たに成立したカンプチア人民共和国は、ベトナムと連携して新しい政権運営を行いましたが、ポル・ポトはジャングルに逃げ込み、ゲリラ活動を開始しました。これに対抗する形で、クメール・ルージュはフンシンペックやソン・サンらと共に民主カンプチア三派連合政権を結成しました。これらの派閥は共同の敵に対抗するために手を組みましたが、その内部では思想の不一致が深刻でした。

国際的な反響

この戦争はベトナムだけでなく、中国やアメリカといった他国にも影響を与えました。中国はベトナムによるカンボジア占領を許さず、中越[[戦争]]を引き起こしました。国際的には、ベトナムの軍事行動には大きな反対があり、特にタイやアメリカはクメール・ルージュを間接的に支援しました。結果、クメール・ルージュは軍事的に撤退せざるを得ず、最低限の政治的存在は残しました。

内部対立と停戦

1980年代末になると、民主カンプチア連合政権は内部での対立が顕著化しました。反共産主義を掲げるソン・サン派や王党派のシハヌーク派は、ヘン・サムリン政権との融和を模索するようになります。結局、ケン・サムリン政権は、国際社会でのサポートを受け歴史的変革を迎えることになりました。

国際的な交渉により、カンボジアは新たな国家体制へと移行することになりますが、その過程でもなお、さまざまな勢力の間で抗争が続いたのです。ベトナムの影響力は残る一方で、ポル・ポト派は孤立し続けました。こうした状況は、1989年まで続き、最終的には国際社会やASEAN諸国などによる努力が奏功し、カンボジアは和平の道を歩み始めることとなります。

このように、第三次インドシナ戦争は単なる二国間の対立だけでなく、地域の政治構造や国際関係にも深い影響を与えるきっかけとなりました。

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