第三次ポエニ戦争

第三次ポエニ戦争

第三次ポエニ戦争は、古代地中海における強大な勢力の二つ、カルタゴとローマの間で行われた最終的な対立です。紀元前149年から紀元前146年にかけて戦闘が展開され、結果としてカルタゴは完全に滅んでしまいました。これは三度のポエニ戦争の締結となり、ローマの覇権を確立する重大な出来事となります。

戦争の背景

第二次ポエニ戦争が紀元前201年に終結して以降、カルタゴはローマから厳しい条件を突きつけられていました。条約により、カルタゴはローマの承諾なく戦争を起こすことを禁じられました。それにもかかわらず、ローマの同盟国であるヌミディアのマシニッサ王が盛んにカルタゴの領土を侵略する事態が続きます。この状況に強い不満を抱いたカルタゴは、紀元前151年に反撃を開始しましたが、オロスコパの戦いで大敗を喫し、戦局はさらに厳しくなりました。

戦争の始まり

紀元前149年、ローマは大軍を編成し、西北アフリカのウティカに上陸を果たします。カルタゴは使者を送り、武装解除に応じたものの、最終的に都市放棄の要求には従いませんでした。この時点で、ローマは攻撃を実行する決定を下します。ローマ軍はしばしば失敗を重ねる中で、スキピオ・アエミリアヌス将軍が指揮する部隊が重要な活躍を見せます。

戦争の展開

ローマ軍がカルタゴを包囲し、都市への補給を遮断するための大堤防を築くに至ったこの間、カルタゴ軍は艦隊を再建し必死に抵抗しますが、ローマの圧力に晒され、苦境に立たされていきます。多くの戦闘において、スキピオは優れた戦略を駆使し、カルタゴの後背地にある要塞を次々と攻略していきました。紀元前146年、ついにローマ軍はカルタゴへの総攻撃を仕掛けることになります。

都市の壊滅

攻撃は6日間続き、カルタゴは壊滅的な被害を受け、捕虜となった多数の人々が奴隷として売り払われました。カルタゴは完全に破壊され、ローマのアフリカ属州として再編成されることとなります。カルタゴを滅ぼした後、ローマは土地に呪いの儀式を行い、再建の計画を立てました。

結果と影響

第三次ポエニ戦争の終焉は、古代ローマが他の国を征圧する道を開いた大きな転機となりました。この戦争を経て、ローマは地中海地域の覇権を確立し、後の帝政ローマへと発展していくことになります。カルタゴの滅亡は多くの歴史家によってその後のローマの繁栄への警鐘として捉えられ、援助や連携がなかった場合の惨劇として語り継がれています。カエサルやマキアヴェッリなどの思想家たちも、この戦争がいかにローマに影響を与えたかを記しています。

戦争後の状況

カルタゴを滅ぼしたローマは、その後も成功を収め、その領土は運営されることになります。カルタゴ出身の少数の人々は生き残り、その後ローマの再建計画に参加することもありました。最終的には、オクタウィアヌスの下でローマの都市として再建されることが決定し、後の歴史へとつながりました。

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