紀元前146年

紀元前146年：ローマ帝国の夜明けと地中海世界の変容

紀元前146年は、ローマの歴史において、そして地中海世界全体の歴史においても、極めて重要な転換点となった年です。この年は、ローマ共和国が地中海世界における圧倒的な覇権を確立したことを象徴する出来事が相次いで起こりました。

ローマの拡大と地中海世界の支配:

長年にわたるローマとカルタゴ、そしてギリシア勢力との激闘が、この年に終止符を打ちます。まず、第三次ポエニ戦争において、カルタゴはローマ軍に決定的な敗北を喫します。スキピオ・アエミリアヌス（小スキピオ）率いるローマ軍はカルタゴを徹底的に破壊し、長きにわたるカルタゴの勢力は完全に瓦解しました。カルタゴの滅亡は、ローマの地中海支配を揺るぎないものとしただけでなく、ローマの軍事力と政治力の強さを世界に示すこととなりました。

続くコリントスの戦いでは、ローマ軍はアカイア同盟を破り、ギリシアをローマの属州アカエアとしました。コリントスは徹底的に破壊され、ギリシアはローマの支配下に置かれます。ローマ軍は、コリントスの略奪によって多くの美術品や船舶をローマへ持ち帰り、ローマの文化と富をさらに豊かにしました。また、マケドニアもローマの属州となり、地中海世界の大部分はローマの支配下に入りました。これらの征服により、ローマは約700年間にわたる地中海世界の覇権を確立することになります。

天文学における進歩:

紀元前146年には、天文学においても重要な進歩が見られました。この年、ヒッパルコスが分点を定めました。ヒッパルコスの業績は、後の天文学の発展に大きな影響を与えました。

その他:

この年、イリュリア最後の王ゲンティウスが死去しています。また、アカイア同盟の将軍クリトラオスも戦死しています。

紀元前146年の出来事をまとめると:

第三次ポエニ戦争の終結とカルタゴの滅亡
コリントスの戦いにおけるアカイア同盟の敗北とギリシアのローマ属州化
マケドニアのローマ属州化
ヒッパルコスによる分点の定め
* ゲンティウスとクリトラオスの死去

紀元前146年は、ローマ帝国の隆盛の始まりと、地中海世界における勢力図の劇的な変化を示す重要な年でした。この年の出来事は、後のヨーロッパの歴史に多大な影響を与え、世界史における大きな転換期の一つとして位置付けられています。様々な出来事が複雑に絡み合い、ローマの帝国への道を決定づけた年と言えるでしょう。

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