第三次英緬戦争

第三次英緬戦争の概要

第三次英緬戦争は、1885年にコンバウン朝ビルマとイギリス帝国との間で発生した歴史的な衝突です。この戦争の結果、コンバウン朝は消滅し、ビルマはイギリスの植民地となったことが大きな国際的影響を及ぼしました。本記事では、戦争の背景や開戦の原因、戦闘の経過、戦後の影響について詳述します。

開戦の背景

1878年、ビルマ王国の国王ミンドンが急死します。彼の後を継いだのは、当時21歳の若き王ティーボーでした。ティーボーは改革派の支持を受けていましたが、保守派の王妃スパラヤッの策略により、改革はほぼ無に付されます。特にミンドンの王子たちへの処刑により、国王の権力は著しく弱体化し、内外から圧力を受ける状況が生まれました。

この機に乗じて、イギリスは下ビルマでの権益を強化し、ビルマ政府との間での摩擦が高まります。1884年には、イギリス企業がビルマ政府から中的材の伐採権に関する問題で訴えられ、ビルマ政府は罰金を科しました。その結果、イギリスは外交的圧力を強め、自国の利益を守るために動き出しました。

戦闘の展開

1885年の秋、イギリスはビルマに対し、外交交渉に関する最終通告を行います。ティーボー王がこの通告を拒否したため、イギリスは軍事行動を決定。ハリー・プレンダーガストが指揮を執る遠征隊は、上ビルマへの侵攻を開始します。

11月14日、遠征隊は国境のタイェッに集結し、翌日から侵攻を開始しました。ビルマ軍は準備が整わず、ほとんど抵抗できなかったため、イギリス軍は順調に内陸部へ進軍し、数日後には旧王都インワを占領しました。この迅速な軍事行動により、ティーボーは王国の支配を放棄し、最終的にはマンダレーまで進撃したイギリス軍に捕虜となります。

終戦とその影響

1886年1月1日、ティーボー王はインドのボンベイに追放され、ビルマ全土は正式にイギリスに併合されました。その後、ビルマはイギリス領インド帝国の一部となり、その植民地支配は続きます。この期間、反イギリス勢力によるゲリラ活動もありましたが、最終的にはイギリスによって鎮圧されました。

この戦争によって、ビルマはその歴史において重要な転換点を迎えました。既存の王朝が滅ぼされ、新たな外国支配の時代に突入したことは、ビルマの文化や経済、政治に大きな影響を及ぼすこととなります。特に、イギリスの植民地政策はビルマ社会に深く根を下ろし、後の歴史的発展に対しても影響を与えることになりました。

参考文献

• - 石井米雄、桜井由躬雄 編『東南アジア史 I 大陸部』
• - 根本敬『物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで』

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