第二丁卯

第二丁卯についての詳細

第二丁卯（だいにていぼう）は、幕末から明治時代にかけて日本の海軍で活躍した軍艦であり、長州藩の命により建造された三檣スクーナー型の木造汽船です。その名は、十干十二支の一つ、丁卯（ちょうぼう）に由来し、特に慶応3年（1867年）にイギリスで建造されたことが起源です。この艦は、初代の第一丁卯と姉妹艦として、日本の近代海軍の発展に寄与しました。

第二丁卯の設計や規模については、さまざまな文献で言及されています。長さ約126フィート（38.40メートル）、幅21フィート（6.40メートル）、吃水7フィート7インチ（2.31メートル）とされており、排水量は約125トンと共通の記録がありますが、具体的な寸法に関しては若干の差異があります。それでも、多くの資料で第一丁卯とほぼ同等とされており、主な艦船の数値として広く受け入れられています。

艦歴と運航

長州藩が1866年にグラバー商会との契約を結び、総額25万ドルで二隻の砲艦（第一丁卯と第二丁卯）の建造を依頼したことが、第二丁卯の誕生につながりました。最初の命名は「アソンタ」で、ロンドンで建造後、1868年に長州藩に渡り「第二丁卯丸」と名付けられました。これにより、明治時代に入ると艦名は正式に第二丁卯に変更され、以後さまざまな任務を果たしました。

1870年には政府に献納され、その後、少数の艦隊の一部として品川での警備任務に従事しました。明治4年には普仏戦争が勃発し、中立を守るために小艦隊が編成されましたが、第二丁卯はその活動に参加することなく、品川での警備を続けました。次いで、測量艦としての任務に指定され、時に中艦隊として西海の測量に従事するなど、多岐にわたる業務をこなしました。

主な任務と活動

業務の合間には、1869年から1870年にかけて測量任務を行い、1875年には対馬や朝鮮への海路研究のために派遣された際、釜山沖でも活動を行いました。また、江華島事件の際に特に重要な任務を担いました。これらの活動を通じて第二丁卯は、貴重な情報を提供し、海軍としての基盤を固める一助となったのです。

1877年の西南戦争では、神戸回航の命令を受けて迅速に対応しました。また、訓練演習や海域測量など、実戦任務以外でも海軍の訓練の一環を担いました。1881年から1885年にかけての活動や修理も含め多くの時間を海上で過ごし、その都度艦隊に再編成され活動を続けました。

最終的には1885年に、明治天皇の行幸に伴い護衛任務を果たすために出航した際、安乗崎で座礁し、破壊されました。この出来事をもって、第二丁卯は中艦隊から除かれ、その運命を終えました。

艦長と指揮官

第二丁卯にはさまざまな艦長が就任しており、初代の植木忠一から始まり、増田広豊、山崎景則、浅羽幸勝、青木住真、杉盛道や東郷平八郎といった名将が指揮を取る中で、艦の歴史を刻んでいきました。このように第二丁卯は、幕末から明治の海軍の発展に重要な役割を果たし、多くの艦長と共に名を残す存在となりました。

総括

第二丁卯は、日本海軍の初期において重要な位置を占める艦であり、その多岐にわたる任務は、我が国の海軍力の向上に多大な寄与をしました。歴史的に見ても、幕末から明治にかけての激動の時代において、艦船の発展とともに成長した存在なのです。

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