第二回旅順口閉塞作戦

第二回旅順口閉塞作戦

第二回旅順口閉塞作戦は、日露戦争中の1904年（明治37年）3月27日に、大日本帝国海軍が旅順港の閉塞を目的に実施した作戦です。これは、旅順に拠点を置くロシア太平洋艦隊の活動を封じ込め、日本軍の作戦を有利に進めるためのものでした。しかし、4隻の閉塞船による決死の攻撃は、ロシア側の厳重な警戒と反撃によって阻止され、作戦は失敗に終わりました。

背景

日本海軍は、2月に5隻の閉塞船による第一次旅順口閉塞作戦を敢行しましたが、これもまた失敗に終わっていました。しかし、旅順艦隊の脅威を取り除くことは依然として重要であり、第二回目の作戦が立案されることとなりました。

作戦参加の閉塞船

第二回作戦には、以下の4隻の閉塞船が参加しました。

千代丸（4000トン）
指揮官：有馬良橘中佐
指揮官附:島崎保三中尉
機関長:山賀代三大機関士
下士卒15名
全乗員数18名
福井丸（4000トン）
指揮官：広瀬武夫少佐
指揮官附:杉野孫七上等兵曹
機関長:栗田富太郎大機関士
下士卒15名
全乗員数18名
弥彦丸（4000トン）
指揮官：斎藤七五郎大尉
指揮官附:森初次中尉
機関長:小川英雄大機関士
下士卒13名
全乗員数18名（または16名）
米山丸（3745トン）
指揮官：正木義太大尉
指揮官附:島田初蔵中尉
機関長:杉政人少機関士
下士卒13名
全乗員数18名（または16名）

ロシア側の対策

ロシア側も日本海軍の再度の作戦を予測しており、警戒を厳重にしていました。港口には沈没船を配置して閉塞を試み、港外には警戒艦を配備していました。作戦当日には、ステパン・マカロフ提督自らが砲艦に乗艦し、反撃の指揮を執りました。

作戦の経過

閉塞船隊は3月25日に巡威島を出撃し、27日未明に旅順港へ突入を試みました。最初に発見された千代丸は、砲台や駆逐艦からの激しい砲火を浴びながらも前進しましたが、港口を特定できず、港口から100メートルの地点で自爆しました。福井丸は千代丸に続いて突入しましたが、駆逐艦の雷撃を受け沈没。弥彦丸も同様に駆逐艦の攻撃により沈没しました。米山丸は港口水道の中央で投錨しましたが、被雷し、水道左岸で沈没しました。

結果

この作戦での日本側の死傷者は15名に及びました。福井丸の指揮官であった広瀬武夫少佐も戦死しました。広瀬少佐の部下、杉野孫七上等兵曹（没後、兵曹長）の他、「朝日」乗組の菅波正次2等信号兵曹（没後、1等信号兵曹）、「高千穂」乗組の小池幸三郎2等機関兵（没後、1等機関兵）も戦死しています。

しかし、旅順港の閉塞は達成されず、作戦翌日には旅順艦隊の大部分が港外に出撃しており、作戦は失敗に終わりました。

意義

第二回旅順口閉塞作戦は、作戦自体は失敗に終わりましたが、参加した兵士たちの勇敢な行動は、国民に大きな感動を与えました。特に広瀬武夫少佐と杉野孫七兵曹のエピソードは、多くの人々に語り継がれることとなりました。しかし、作戦の失敗は、旅順攻略の困難さを示すものでもあり、その後の陸戦における苦戦を予感させるものでもありました。

参考文献

真鍋重忠、『日露旅順海戦史』、吉川弘文館、1985年、ISBN 4-642-07251-9
外山三郎、『日露海戦新史』、東京出版、1987年、ISBN 4-924644-29-3

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