閉塞船

閉塞船（へいそくせん）

閉塞船とは、特定の国が海軍の力を駆使して、他国や自国の港や海域への船舶の出入港や通行を妨害するために自沈させた船舶を指します。これは海上封鎖の一手法として知られており、この作戦全体は「閉塞作戦」とも称されます。

概要

閉塞船は、主に旧式の軍艦や戦闘によって損傷した船舶が用いられることが多く、特に戦時中には敵の侵略を防ぐ目的でも使われます。多くの場合、戦闘が終結した後、これらの船舶は引き上げられ、解体されることになります。日本においては、日露戦争中の旅順港で行われた閉塞作戦が特に有名であり、その際に福井丸を指揮していた広瀬武夫少佐は作戦中に戦死しました。残念ながら、この海上封鎖の目的は完全には達成されませんでした。

歴史的事例

英語では閉塞船を「ブロックシップ（Blockship）」と呼びますが、イギリス海軍においてこの名称が使われる際には、沿岸防備用の浮砲台の一種を指すため、注意が必要です。翻訳の際には、英海軍の艦種については「封鎖艦」として区別されています。

例えば、米西戦争においては、アメリカがサンチャゴ港を封鎖し、スペイン艦隊の脱出を防ぐ目的のために給炭船メリマックを閉塞船として使用しました。しかし、サンチャゴ・デ・キューバ海戦の後、スペイン艦隊が壊滅すると、逆にアメリカ艦隊の港内突入を妨害するためにスペイン側も巡洋艦レーナ・メルセデスを閉塞船に使用しました。この両者の事例とも、港口を完全に閉塞する目的は達成されませんでした。

また、1967年の第二次中東戦争では、エジプト軍がスエズ運河を奪取されることを嫌い、約40隻の船舶を自沈させて運河を封鎖しました。この戦争は英仏連合軍の目的達成なしに終結し、沈められた船舶の撤去には数ヶ月を要しました。

関連項目

以下の関連項目も、閉塞船や海上封鎖に関する理解を深める助けとなるでしょう。

• - 海上封鎖
• - 特設艦船
• - ゼーブルッヘ襲撃
• - 機雷

これらの事例や手法は、戦争や衝突の際の戦略的な選択肢としての重要性を示しています。閉塞船の使用は、単なる物理的な障害を作るだけでなく、敵国の戦略にも大きな影響を与えることがあります。

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