第二次バーバリ戦争

第二次バーバリ戦争

第二次バーバリ戦争（1815年）は、アメリカ合衆国とオスマン帝国の北アフリカに存在したバーバリ諸国の間で起こった衝突で、主に海賊行為に対抗するために行われました。この戦争は、アメリカが前回の戦争（第一次[[バーバリ戦争]]）で、トリポリの海賊行為を抑えることに成功した後の出来事です。前回の戦争を経て、アメリカ合衆国は海賊国家に対して通行料を払う慣習を終わらせることに成功しましたが、これには多くの困難が伴いました。

背景

第一次[[バーバリ戦争]]の後、アメリカ合衆国は米英戦争（1812年-1815年）に直面し、北アフリカを巡る関心が薄れていました。そのため、バーバリ諸国の海賊たちは再び活動を活発化させ、商船に対する攻撃を行い、船員や士官を捕らえて身代金を要求しました。その状況下で、ヨーロッパはナポレオン戦争に巻き込まれており、国際情勢は混迷を極めていました。

アメリカ合衆国の対応

米英戦争が終結した1815年2月以降、アメリカは再び北アフリカへの関心を高めました。3月3日、アメリカ合衆国議会はアルジェに対する海軍の動員を承認し、2つの戦隊が編成されました。ウィリアム・ベインブリッジとスティーヴン・ディケーター指揮の下、艦隊はそれぞれボストンとニューヨークから出港し、海戦の準備を進めました。特にディケーターの戦隊は、1815年5月20日に出港し、最初にアルジェに向けて進みました。

交戦と交渉

ディケーターの艦隊は、アルジェ近海に到達するとすぐに敵艦と遭遇し、重要な海戦に勝利を収めます。続いてアルジェのパシャとの交渉を始め、彼との話し合いでは既往の損害補償を求め、脅しをかける形で進められました。結果、1815年7月3日、交渉の末、アメリカ側はその海戦で捕らえた敵艦を返還し、アルジェ側は捕虜を解放し、通行料を取らないことを保証する条約に調印することとなりました。

戦後の影響

第二次バーバリ戦争の結果、アメリカ合衆国は北アフリカへの影響力を強化し、以後は大規模な海賊行為が収束していきました。1816年には、イギリスが北アフリカのパシャたちに対して海賊行為を止めさせるための外交使節団を派遣しましたが、その結果は非常に難航しました。エクスマス子爵が指揮する艦隊は後にアルジェに対する懲罰的な攻撃を行い、最終的に条件を受け入れさせることに成功しました。それにより、多くのキリスト教徒奴隷が解放され、アメリカがもたらした影響は一層広がりました。

この戦争が終わった後も、バーバリ諸国の状況は続きましたが、ヨーロッパ列強は海軍力を強化し、その力をもって北アフリカの支配を確立していくことになります。結果として、トリポリは1835年にオスマン帝国の支配下に戻り、最終的には、イタリアやフランスなどの植民地化が進行しました。19世紀から20世紀初頭にかけて、地中海の政治的状況は大きく変化し、これに伴い戦争や紛争も続いていくこととなるのです。

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