第二次ロンドン海軍軍縮会議

第二次ロンドン海軍軍縮会議の概要

第二次ロンドン海軍軍縮会議は、1935年12月9日にイギリスのロンドンで開催された国際的な会議です。この会議は、1930年に締結された「ロンドン海軍軍縮条約」を改正することを目的としていました。しかし、前回の予備交渉が成功しなかったため、会議には大きな困難が伴いました。特に日本は、軍縮条約からの脱退を決定し、1934年12月にワシントン海軍軍縮条約の破棄を通告しました。これにより、日本は短期間で条約から離れることになりました。

会議が正式に始まる前、1934年からの予備交渉では、主要な海軍大国である日・米・英各国がそれぞれ独自の主張を展開しました。日本は「軍備平等」を求め、戦艦や空母の攻撃的艦種の全廃または大幅削減を主張しました。一方、イギリスは既存の条約の基本的な維持を望み、艦種の質的制限に注力しました。また、アメリカは現有戦力の20％削減を求めましたが、フランスは艦型の大幅縮小に賛成しながらも量的制限に反対の姿勢を示しました。

しかし、会議が進むにつれて、日本が最終的に会議を脱退したため、議論は質的制限に集中せざるを得ませんでした。1936年にイタリアもエチオピア侵略の影響で脱退し、最終的に英・米・仏の三国のみで第二次ロンドン海軍軍縮条約が締結されることとなりました。

この条約の重要な内容としては、艦種の定義、基準排水量、艦齢などに関する詳細な基準が含まれていました。具体的には、戦艦の基準排水量は35,000トン以下、主砲は14インチ以下と定められ、空母は23,000トン以下で備砲6.1インチ以下という制限が設けられました。さらに、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦、潜水艦についても詳細な基準が設定されました。

また、条約にはエスカレータ条項が含まれており、1937年4月1日までに第二次ロンドン軍縮条約を調印しなかった国に対する制限を緩和する内容がありました。この条項は、1938年に発動され、戦艦の規定を改正し、保有枠が増えました。

全体として、この会議は海軍軍縮の歴史の中で重要な位置を占めており、当時の国際情勢や各国の外交関係に大きな影響を与えました。日本の脱退やイタリアの脱退は、条約の実効性や他国との関係に悩みを引き起こし、国際的な安全保障と軍備管理に関する課題を浮き彫りにしました。

このように、第二次ロンドン海軍軍縮会議は、その後の国際政治や軍事戦略の形成において極めて重要な出来事となりました。

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