第二次共産党 (日本)

第二次共産党の歴史

第二次共産党（だいにじきょうさんとう）は、1926年の再建から非合法活動を行った日本共産党を指します。この党は、広義には1935年に最後の中央委員である袴田里見が検挙されるまでの時期を含みますが、狭義には1929年の四・一六事件により組織が壊滅するまでの期間を指すことが一般的です。

1. 再建と初期の混乱 (1926年 - 1929年)

第一次共産党が1924年に解散した後、コミンテルンは日本共産党の再建を強く求めました。1925年には佐野学を中心に共産主義者グループ「ビューロー」が形成され、1926年には五色温泉で第3回党大会が開催されました。この大会により、日本共産党は再度結成され、「コミンテルン日本支部」の一部としての位置づけを認められました。

その後、1927年には福本イズムと山川イズムの派閥争いが激化しました。コミンテルンはこの対立を解消するために日本問題委員会を設立し、「27年テーゼ」が策定されました。これにより新たな党指導部が構築され、福本グループが排除されました。

2. 組織の壊滅 (1928年)

共産党の活動が進展する中、政府による弾圧も強化されました。1928年の三・一五事件では約1600名の党員が検挙され、その後の四・一六事件で党は再び壊滅しました。これにより、指導部メンバーの多くが逮捕され、組織の中心が失われました。

3. 獄中・獄外での分立 (1929年 - 1935年)

四・一六事件後、党は獄中指導部と獄外指導部に分かれ、それぞれ異なる環境で活動を継続しました。獄中では佐野・鍋山らが公判闘争を指導し、獄外では新たな活動家たちが再建を試みました。しかし、経験不足の指導者たちにより、戦略的な誤りが重なり、党は弱体化しました。

1930年代初頭には田中清玄を委員長とする新指導部が結成されましたが、過激な路線を進めた結果、党勢を回復することができたものの、合法団体に対する過剰な要求が弾圧を招くこととなりました。

4. スパイ事件と内部崩壊

1933年以降は「リンチ共産党」時代に突入し、党組織の再建が試みられましたが、内部のスパイの浸透や指導部の転向声明により、党内の統制が崩れました。さらに、特高による厳しい取締りが続き、多くの幹部や党員が検挙されました。この過程で発生したスパイ査問事件が、党の機能を実質的に停止させる原因となりました。

5. 崩壊とその後

最終的には、1935年に残存していた中央委員・袴田が検挙されたことで、第二次共産党は完全に崩壊しました。これにより、戦後の共産党再建にも影響を与え、当時の指導者たちの権威が不当に高まる結果を招きました。

以上、第二次共産党の歴史は、党の再建とその後の混乱、弾圧、最終的な敗北が織りなす複雑なものでした。この時期の経験が後の共産党活動にどのように影響を与えたのかを考えることは、当時の歴史を理解する上で重要です。

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