リンチ共産党

リンチ共産党について

リンチ共産党（リンチきょうさんとう）とは、1932年から1935年にかけての日本共産党の一時期を指す俗称です。この時期、日本共産党は非合法政党時代にあり、組織の壊滅や内部の疑心暗鬼が続く厳しい状況にありました。実際、この時期の党の活動は様々な形で圧迫され、その影響で党組織は大きく衰退しました。

歴史的背景

1932年10月、熱海において共産党幹部が一斉に検挙される熱海事件が発生しました。この事件により日本共産党は大打撃を受け、その後も組織の再建が困難な状況が続きました。特に、獄中にいた元幹部の転向による影響が大きく、党員数は減少の一途を辿りました。転向声明を出した者たちの影響で、若干の党員たちはその方針に従い、党の指導原則が揺らいでしまったのです。

また、警察スパイによる中央部への潜入が一般化し、密告を受けた幹部が次々と検挙される事態も発生しました。このような連続的な弾圧によって、党員たちはもはや統一した行動を取ることが難しくなり、一部の者による過度な査問が行われたのです。こうして疑心暗鬼が党内に広がり、多くの党員が互いを疑う関係に陥りました。

指導部の変遷

1933年に入ると、山本正美の指導の下、党中央部の再建が試みられましたが、すぐにスパイの存在が明らかとなり、再び組織は崩壊しました。その後、野呂栄太郎が新たな指導者として就任し、党内の権力闘争やスパイ摘発が続きましたが、スパイの関与があったことで再度、党の体制は揺らぎました。

特に、野呂の下であったスパイの影響により、党内の信頼関係はさらに壊れていきます。宮本顕治の指導もまた、スパイ疑惑に真剣に向き合うことなく続きましたが、彼自身も最終的には検挙されてしまいました。袴田里見が最後の中央委員として活動を続けましたが、最終的には彼も検挙され、党中央部は実質的に崩壊しました。

組織の終焉と再建の試み

袴田の検挙によって、党の中央組織は完全に消失しました。その後の活動は一部の地方組織によって行われたものの、弾圧の波に翻弄され、すぐに終息を迎えました。最終的には、第二次世界大戦後の合法化まで党組織の再建は実現しませんでした。

このような複雑な歴史的経緯を経て、日本共産党は新たな出発を果たすことになりましたが、この時期における壊滅的な状況は、党の歴史に深い影響を及ぼしました。これに伴い、党内での多くの出来事や転向事件は、現在でも日本共産党の教訓とされています。

結論

リンチ共産党の時期は、日本共産党にとって非常に困難な状況を反映したものであり、内部のスパイ活動や弾圧などがその活動を大きく制約しました。この時期の教訓は、党の今後においても大きな影響を持ち続けることでしょう。

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