第二段作戦

第二段作戦の概要

第二段作戦（だいにだんさくせん）は、大東亜戦争中に日本軍が南方作戦の次に実施しようとした攻略作戦です。これは、米豪間の交通を遮断し、早期の戦争終結を狙ってハワイの占領を目的としていました。具体的には、南方作戦により獲得した地域の防衛を強化するために、アメリカおよびオーストラリアの連絡を妨げることを狙っていました。しかし、ミッドウェー海戦の失敗やガダルカナル島の放棄により、この計画は中止され、最終的に1943年3月に第三段作戦が発令されることになりました。

計画の背景

1941年12月、ハワイへの空襲や北部マレー半島への上陸、フィリピンでの航空戦が含まれる南方作戦が開始されました。この作戦は当初の予想以上に順調に進展し、1942年3月には蘭印軍が降伏。これを背景に、さらなる攻略作戦を通じて戦略的な優位性を確保するために、「第二段作戦」の計画が急ピッチで策定されることになりました。

連合艦隊長官であった山本五十六大将は、ハワイの攻略を目指しつつ、MI作戦やFS作戦を行う計画を立てました。このMI作戦は、ハワイ攻略への準備段階としての位置付けで、米国の空母を撃沈できればハワイ攻略が容易になると考えられていました。しかし、軍令部はこの計画に異を唱え、フィジー方面の攻略を計画することにしました。その結果、連合艦隊と軍令部の間で妥協がなされ、サモアやフィジーを攻略することで合意が形成されました。

具体的な作戦計画

第二段作戦の具体的な内容は、1942年の5月から7月にかけての戦略的な動きに基づいていました。新たに提案された計画では、東部ニューギニアのポートモレスビーを最初に攻略し、次にミッドウェーおよびアリューシャン列島の攻略を目指しました。その後、フィジーとサモアに進出する予定でした。しかし、これらの計画は次第に現実味を帯びないものになっていきました。

さらなる要請として、「すみやかにインド洋にある英艦隊を撃滅する」との方針も押し出され、東の大平洋で主力が対米艦隊と戦う中、西に回るのは困難であるとの指摘もありました。

実施の経過

1942年4月の段階で、「大東亜戦争第二段作戦帝国海軍作戦計画」が正式に提出され、その後、連合艦隊内で作戦計画案が配布されました。その後の対米戦での演習や準備も行われ、具体的にはミッドウェーやフィジー、サモアの攻略が試みられました。

しかし、連合艦隊と軍令部の意見の対立や、実際の戦闘において大きな損失を被り、当初の計画が大きく狂う結果となったのです。1942年6月のミッドウェー海戦では日本軍が空母を4隻も損失し、この影響で多くの作戦が中止に追い込まれました。

結果的な影響

第二段作戦は失敗に終わりましたが、日本はその目的を放棄せず、ガダルカナル島への基地航空部隊の進出を図りました。しかし、ガダルカナル戦での消耗戦により期待した成果は得られず、最終的には1943年に第三段作戦が発令され、防備を固める方針へと転換されました。このような歴史的経緯から、第二段作戦は日本の戦局に大きな影を落とした作戦であったと言えるでしょう。

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