第八号駆潜艇

第八号駆潜艇の概要

第八号駆潜艇（だいはちごうくせんてい）は、日本海軍における重要な艦船であり、駆潜艇としての任務を果たしました。一般的には第四号型駆潜艇の5番艇として位置づけられていますが、海軍省による艦艇類別では第一号型駆潜艇の8番艇に分類されています。

艇歴

第八号駆潜艇は、計画段階で300トン型駆潜艇として立案され、仮称艦名は第63号艦とされました。1938年の1月10日、玉造船所で建設が始まり、5月28日に正式に名前が与えられました。この艇は特務艇および駆潜艇に分類され、第一号型の7番艇にあたります。進水は8月9日、竣工は11月30日であり、横須賀鎮守府に本籍が置かれ、横須賀防備隊に編入されました。

1940年11月15日、艦艇類別等級の改正により、特務艇から艦艇の駆潜艇に変更され、本籍は呉鎮守府に移りました。さらに同日に第十一駆潜隊が新編され、第七号と第九号駆潜艇と共に編成され、第二艦隊に所属しました。

1941年の4月10日には、第十一駆潜隊が第三艦隊に編入され、以降の戦闘任務に派遣されました。特に、同年の5月14日からは司令駆潜艇として第八号駆潜艇が指定され、幾度かの任務を遂行しました。

太平洋戦争の参加

太平洋戦争の序盤、第八号駆潜艇はマレー半島の上陸船団の護衛や、パレンバン攻略船団の護衛に従事。1942年3月以降は、ペナンを根拠地としてシンガポールやサバン方面での護衛任務を果たしました。また、1945年には南方方面での重要な任務に従事し、特に護衛任務に多く関わりました。

沈没

しかし1945年3月4日、マラッカ海峡北部での船団護衛中にイギリスの潜水艦トレンチャントとテラピンによる攻撃を受け沈没しました。この沈没によって、第八号駆潜艇はその歴史に幕を下ろし、戦功を残しました。

除籍とその後

戦後の1947年5月3日、第八号駆潜艇は海軍制度の見直しに伴い除籍され、その名を歴史に刻みました。同年に第十一駆潜隊も廃止され、この艦は戦争の激動の中で数々の任務を遂行した証しとなりました。

駆潜艇長一覧

艦の指揮を執った駆潜艇長たちの変遷も特筆すべき点です。初代駆潜艇長である蓼沼三郎大尉は1938年から短期間指揮を執りその後、濱崎長太郎大尉が1940年から1941年9月まで命を懸けて艦を率いました。その後は島田喜與三、亀井晴治（戦死）などの指揮官が続き、艦は厳しい戦場を生き延びました。

このように、第八号駆潜艇はその短い艦歴の中で、数々の任務を遂行し、数多くの指揮官のもとで日本海軍の重要な戦力として活動した艇であったのです。

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