第六十号駆潜艇

第六十号駆潜艇について

第六十号駆潜艇は、日本海軍に所属した駆潜艇であり、その歴史は1943年にさかのぼります。この艇は、基本計画番号K8Cのもとに設計され、他の駆潜艇とは異なる位置づけとして、第28号型の32番艇または第60号型の1番艇とされることがありましたが、法令上は第13号型の47番艇に分類される存在です。太平洋戦争を戦い抜き、その後は復員輸送任務に従事しました。

艇歴の概要

この艦は、改⑤計画の駆潜艇として、もともと第5341号艦型の1番艇として知られていました。1943年8月9日に新潟鐵工所の新潟工場において起工され、1944年1月10日には進水しました。進水後、艤装員事務所が設立され、その後も装備や体制が整えられました。3月には竣工を迎え、本籍を佐世保鎮守府に設定されました。

進水後すぐに、特定の艦隊に編入され、ルートや任務をこなしていきました。最初は呉防備戦隊の一部として、基礎訓練を受けた後、様々な船団護衛や物資輸送の任務に従事しました。その中には、ヒ65船団やC134船団、P196船団など多数の任務がありました。

彼女は、戦局が厳しくなる中で、様々な場所に出動し、船団護衛任務を果たしました。例えば、マニラやセブ島などでの輸送任務、またダバオへの進出などがありました。時に敵の空襲を受けるなど、危険を伴った任務もありました。特に1945年12月14日には、スービック湾近くで空襲を受け損傷を負う事態も経験しました。

戦後の活動

終戦後、第六十号駆潜艇は復員輸送任務に従事し、艦名を駆潜第六十号に変更されました。1945年10月には、除籍された後は帝国艦船特別輸送艦として使用されることとなり、復員輸送のために南鮮と博多間の輸送を行いました。

この艦は、戦後の特別輸送艦として位置付けられ、1946年までの間に特別保管艦に指定されましたが、その後解体されることとなります。1948年には山嶺鉄工所に引き渡され、歴史の幕を下ろすことになります。

艦長及び艦組メンバー

艦の運営には、様々な艦長や艤装員が関わり、その指揮の下で多くの任務を遂行しました。艤装員長を務めた以倉菊次大尉が、艦長兼艦長として指揮を執っていた期間は、非常に重要な時期でありました。特に彼が艦長を務めていた期間中、艦は多くの実戦的任務を経て、戦局を乗り越えました。戦後には青木滋大尉も艦長として復員業務を担当し、彼らの指導のもとで艦は平時の回復に尽力しました。

結論

第六十号駆潜艇は、太平洋戦争の激しい戦闘を経験し、終戦後には復員輸送の重要な役割を担った艦艇でありました。その歴史は、日本の海軍と復興の過程において重要な位置を占め、その傑出した行動は今も多くの人々に記憶されています。

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