第四共和国 (大韓民国)

大韓民国の第四共和国

大韓民国における第四共和国は、韓国現代史において重要な位置を占める時期であり、通常1972年から1979年にかけてを指します。これは主に朴正煕大統領の治下にあり、特に彼の政権末期の政治的変化や不安定な状況を反映しています。特に1972年10月17日から1979年10月26日までの間がその中での核心的な期間とされています。この時期は、朴政権がしばしば「維新体制」と呼ばれる状況下で経験した様々な出来事が含まれています。

背景

1971年の大統領選挙では、朴正煕が新たに三選を果たしましたが、同時に野党候補の金大中が彼に近づく勢いを見せました。この選挙後の総選挙では新民党が強い結果を残し、これにより朴政権は政治的な危機に直面しました。政権の維持が困難になる中、朴は反政府運動の高まりを受けて強硬策に出ざるを得ないと判断します。

彼は1971年10月15日、ソウル市全域に衛戍令を発令し、さらには1971年12月に国家非常事態を宣言しました。これにより、彼の政権は更加える形で強権的な統治を試みました。さらに、南北間の緊張緩和を目指して北朝鮮との秘密裏の接触も行い、1972年7月には南北共同声明を発表するなど、国民の支持を得ようとしました。

特別宣言と非常措置

1972年10月17日には、朴が「特別宣言」と呼ばれる重要な発表を行い、戒厳令の下で国会を解散し、政治活動を禁止しました。これにより現行憲法の一部条項は停止され、非常国務会議が設置される流れとなりました。非常国務会議は憲法改正案を策定し、国民投票を通じて新たな憲法へと移行しました。

このような状況下で、1972年11月21日に行われた国民投票では、政権支持の憲法改正が驚異的な賛成率で通過しました（91.9%）。その後、統一主体国民会議が構成され、朴正煕が大統領に再選されるなど、政治的なコントロールが強化されていきました。

特徴と影響

第四共和国では、歴代の憲法にあった大統領の多選禁止が撤廃され、重任の制限もなくなりました。この改正は朴正煕が政権を維持するための戦略的手段として機能しました。また、国民の自由や権利に対する制限が設けられ、「法律の範囲内で」という条件下で保障されることとなりました。この時期の憲法改正は、民主主義の原則を曲げる形で行われたため、多くの批判を集めました。

第四共和国は、朴正煕の強いリーダーシップと国家の安定を求める過程で多くの矛盾を孕んだ時代でした。この時代の出来事は、韓国の政治的な発展にも大きな影響を与え、この後の民主化運動や社会的変革に向けた土台を築くこととなりました。

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