第四艦隊 (日本海軍)

第四艦隊の歴史

第四艦隊（だいよんかんたい）は、旧日本海軍の重要な艦隊の一つであり、明治から昭和前期にかけて三度にわたり編制されました。各編制時期には、その時代の軍事的需要に応じた役割を担っていました。特に、日露戦争や支那事変、また太平洋戦争といった歴史的な背景の中で、それぞれ異なる任務を果たしてきました。以下では、この艦隊の詳細な歴史について説明します。

初代第四艦隊

初代の第四艦隊は1905年6月14日に編成され、樺太作戦に従事しました。この艦隊は老朽艦を中心に編成され、鹵獲したバルチック艦隊の艦艇もその一部として活用されました。陸軍の上陸支援を目的として樺太へ向かい、戦争が終結した後は凱旋観艦式による披露を経て、12月20日に解散されました。

編制内容

初代第四艦隊の所属艦は以下の通りです：

• - 第7戦隊：厳島・鎮遠・壱岐・沖島・見島
• - 第8戦隊：橋立・松島
• - 第9戦隊：鳥海・摩耶・赤城・宇治 など

司令長官には出羽重遠中将が就任し、参謀長は山屋他人少将でした。

臨時編成の第四艦隊

1933年から1935年にかけて、第四艦隊は海軍大演習のために臨時編成されることがありました。特に1935年には、演習中の台風で艦艇が甚大な損害を受ける事件（第四艦隊事件）が発生し、艦艇のほとんどが損傷を受けてしまいました。この時期の艦隊編制は、独立旗艦の足柄を中心とし、多数の駆逐艦や潜水艦が配属されました。

第二代第四艦隊

1937年、支那事変の勃発と共に国際情勢が緊迫する中、臨時的だった第四艦隊は常設艦隊として改組されました。新しい艦隊は日本の上海に常駐する第三艦隊を支援するために編制され、連合艦隊とともに支那方面艦隊が設立されました。特に、青島占領作戦を展開する際に第四艦隊も重要な役割を果たしました。しかし、同年2月1日には支那方面艦隊隷下に新たに第五艦隊が編成され、第四艦隊は北支部隊となりました。

三代目第四艦隊

1940年に新たに編成された三代目の第四艦隊は、南洋諸島の防衛を主たる目的とし、司令長官には片桐英吉中将が任命されました。この艦隊は大本営直轄の独立艦隊として、南方地域での武力行使や防衛の任務に当たりました。しかし、その戦力は水上機母艦2隻と駆逐艦2隻という限られたもので、戦争開戦時には十分な兵力を確保できていませんでした。

太平洋戦争とその後

太平洋戦争が開戦すると、第四艦隊は南洋方面防衛任務に従事しましたが、戦争の激化に伴い、供給路が遮断されてしまいました。その結果、1944年までに内南洋戦域における自給自足状態に陥り、最終的には終戦を迎えることとなります。

終わりに

第四艦隊は、日本海軍の歴史において重要な役割を担ってきましたが、その任務の変遷は時代の影響を受けて変わってきました。各編制における艦隊の運用は、戦局の変化や国際情勢との関連が深いことを示しており、艦隊の歴史を通じ、当時の日本の軍事的立場を理解する貴重な資料とも言えます。

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