第百一号哨戒艇

第百一号哨戒艇（だいひゃくいちごうしょうかいてい）

第百一号哨戒艇は、大日本帝国海軍に所属した哨戒艇であり、そのルーツはイギリス海軍の駆逐艦「スレイシアン」にさかのぼります。

艇歴と活躍

「スレイシアン」は1918年1月10日に起工し、1920年3月5日に進水、1922年4月1日に就役しました。第二次世界大戦が勃発すると、この船は主に香港周辺で機雷敷設活動に従事しました。特に、太平洋戦争の開始に伴い、日本軍が香港への攻撃を強化する中、「スレイシアン」は九龍半島からの撤退を支援し、日本軍陣地への砲撃や日本兵を載せた船舶の撃沈を行いました。

しかし、1941年12月16日、レパルスベイにおいて日本軍機の攻撃を受けて損傷し、最終的に銀洲で座礁しました。その後、日本軍はこの艦艇を捕獲し、1942年の10月1日には「第百一号哨戒艇」と命名し、特務艇に類別されました。これにより、本籍地は横須賀鎮守府に、所属は横須賀防備隊に定められました。

この艇は哨戒業務の他、海軍水雷学校の練習艦としても使用されることとなりました。1943年2月15日には特務艇から艦艇の哨戒艇に移行し、引き続き横須賀鎮守府から運用されました。また、8月15日には練習哨戒艇に役務が変わりました。

1943年12月1日から1944年1月18日には改装工事が行われ、従来の備砲が撤去され、魚雷発射管や爆雷が装備されました。3月15日には練習哨戒艇の役務を解かれ、「特第一号練習艇」としての新たな任務に就くことになりました。

訓練と改装

この時期、艇は対水上射撃の試験用に試製23号電探を搭載し、さらに「北上」または「大井」から取り外された61cm4連装魚雷発射管も装備しました。これにより、魚雷発射訓練や新型電探の実験が行われました。

終戦直前の1945年10月、台風が接近する中、横須賀に所在していた第百一号哨戒艇はイギリスに返還され、1946年2月に香港で解体されました。

艦長

第百一号哨戒艇の艦長には以下の2名が任命されました。

• - 杉本安政 予備少佐/少佐（1943年2月15日 - 1943年11月1日）
• - 福地秋二 少佐（1943年11月1日 - 1944年3月15日）

参考文献

• - 福井静夫『昭和軍艦概史 III 終戦と帝国艦艇』出版共同社、1961年
• - 海人社『世界の艦船 増刊 日本海軍護衛艦艇史』1996年2月号増刊 No.507
• - 学研『歴史群像 太平洋戦史シリーズVol.32 軽巡 球磨・長良・川内型』学習研究社、2001年
• - 学研『歴史群像 太平洋戦史シリーズVol.45 帝国海軍 真実の艦艇史』学習研究社、2005年

関連項目

• - 大日本帝国海軍艦艇一覧
• - イギリス海軍艦艇一覧
• - 第二次世界大戦中のイギリス海軍の喪失艦一覧

外部リンク

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