第百七十三号駆潜特務艇

第百七十三号駆潜特務艇について

第百七十三号駆潜特務艇（だいひゃくななじゅうさんごうくせんとくむてい）は、日本海軍が運用していた特務艇の一隻です。この艦艇は、第一号型駆潜特務艇の123番艇に位置づけられており、太平洋戦争を生き延びた後は掃海に従事し、最終的には海上保安庁に所属する巡視船へと転用されました。

艇の歴史

この船はマル戦計画に基づく特務艇であり、第2001号艦型の23番として計画されました。第八十四回帝国議会では100トン型の哨戒特務艇としての認可を受け、1944年4月5日に「第百七十三号駆潜特務艇」と命名され、佐世保鎮守府を本籍とすることとなりました。実際の艦船は、福岡造船鉄工株式会社において艤装が進められ、1944年の5月30日に竣工し、佐世保防備隊附属に編入されました。

その後、艦艇は様々な海域で護衛任務を行い、特に1945年には数度の出撃を経て多くの陸軍徴傭船や商船を護衛する役割を果たしました。特に、2月1日付で海軍徴傭船美保丸の護衛任務に従事したことが記録されています。以後も多くの出撃を重ね、海上の安全を確保するための活動を活発に行いました。

より詳細な活動内容

1945年3月1日には阿波川丸を直接護衛し、その後も数週間にわたり警戒活動を続けました。特に、圓燕丸への対潜掃討活動や、他の商船の護衛が記録されています。これらの活動を通じて、艦艇は連続した戦場の中で重要な役割を果たしていたことがわかります。

さらに、1945年4月から6月にかけては、対潜掃蕩や輸送護衛を行いながら、終戦まで生き残った数少ない艦艇の一つとしてその実績を残しました。特に、海軍省が廃止された1945年11月30日に除籍されるまで、多くの重要な任務を果たしていました。

戦後の経歴

戦後は、1945年12月に名義が駆潜特第百七十三号に変更され、掃海業務を担当することとなりました。1946年には、佐世保掃海部に移行し、その後の経歴として特別保管艦に指定されました。1949年には海上保安庁に編入され、その後、巡視船「しらたか」として活動を続けました。1950年代に入ると、船番号も改訂され、多くの年にわたって海上での安全活動に従事しました。

最終的には1959年に海上保安庁から解役され、歴史の中で駆潜特第百七十三号は一つの船として重要な役割を果たしたことが明らかになります。艦艇は、戦争の名残を持ちながらも平和時においても重要な任務を肩代わりし、さまざまな体験を経て多くの人々の記憶に残る存在となりました。

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